2016.06.25更新

離婚を考えている医師のご主人から、医師が離婚する場合の財産分与の割合についてのご相談です。

結論:特別な能力や専門的知識によって財産の形成に大きく貢献したと認められるような場合には、貢献の程度に応じて、財産分与の割合が変わることがあります。

妻が取締役の場合には、退任登記の手続を取る必要があります。

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1.ご相談者

 50代の男性(医師)

 ①妻は50代(主婦)

 ②婚姻期間は21年

 ③財産は自宅、預金、自動車、株式、保険

 

2.ご相談の内容

 私は、開業医として働いています。妻は、ほとんど家事をせず、また、浪費家でお金遣いが荒く、家には物があふれています。子供も成人しましたし、これ以上結婚生活を続けていても仕方ないので、離婚したいと考えています。

 私の医師としての収入の方が多いのに、財産分与として妻に半分の財産を与えないといけないのでしょうか? 妻が法人の取締役になっているのですが、どのような手続をしたらよいでしょうか。

  

3.ご相談への回答

 財産分の割合は2分の1が原則ですが、特別な能力や専門的知識によって財産の形成に大きく貢献したと認められるような場合には、貢献の程度に応じて、その割合が変わることがあります。 

 妻が取締役の場合、辞任届の提出を受けて退任登記の手続を取る必要があります。  

(1)財産分与の割合はどれくらいなの?

 離婚をする場合、相手に夫婦の共有財産を分与するよう請求することができますが、夫婦の共有財産は、夫婦が協力して形成した財産なので、財産形成について夫婦が平等に貢献したものと考えます。

 したがって、財産分与にあたっては、夫と妻がそれぞれ2分の1ずつの権利を持つことになります。

 これを「2分の1ルール」といいます。

 

(2)2分の1以外はないの?

 もっとも、「2分の1ルール」はあくまで原則なので、特別な能力や専門的知識によって財産の形成に大きく貢献したと認められるような場合には、貢献の程度に応じて、その割合が変わることがあります。

(ケース1)

 ①事案妻が医療法人を経営する医師の夫に、2分の1の財産分与を請求

 ②結論夫60%、妻40%

 ③ポイント夫の努力により医師の資格を取得し、高収入を得られた、妻も診療所の経理を担当していた

 ④判例:裁判所は、夫が医師の資格を有するまでの勉学等について婚姻前から個人的な努力をしてきたこと、婚姻後、医師の資格を活用して多くの労力を費やして高額の収入を得ていること、他方、妻は家事や育児だけでなく、診療所の経理も一部担当していたことを理由として、夫の寄与割合を6割、妻の寄与割合を4割としました(大阪高裁平成26年3月13日判決)。

(ケース2)

 ①事案妻が会社経営者の夫に、夫の浮気と暴力を理由に離婚を求め、慰謝料を含めて110億円の財産分与を請求

 ②結論夫95%、妻5%

 ③ポイント夫の特有財産を夫が運用・管理していた、婚姻期間が15年、破綻の原因が夫にある

 ④判例:裁判所は、夫の公私にわたる交際を15年にわたって妻として支え、間接的に共有財産の形成や特有財産の維持に寄与したこと、他方、共有財産の原資のほとんどは夫の特有財産で、夫が運用・管理し、妻が寄与した割合は高くないこと、婚姻が破綻したのは主として夫の責任であること、妻は今後、職業に携わることはできず、今後の扶養の要素も加味すべきことを理由として、妻の寄与割合を5%(10億円)としました(東京地裁平成15年9月26日判決)。 

(ケース3)

 ①事案妻が1級海技士の夫に、財産分与を請求

 ②結論夫70%、妻30%

 ③ポイント夫の努力により資格を取得し、多額の収入を得られた、夫が留守の間、妻は1人で家事・育児をしていた

 ④判例:裁判所は、夫が1級海技士の資格を取得したのは夫の努力によること、資格を活用し、1年に6か月ないし11か月の海上での不自由な生活に耐えた勤務により多額の収入が得られたこと、他方、妻は家庭にあり、留守を守って1人で家事、育児をしていたことを理由として、妻の寄与割合を3割としました(大阪高裁平成12年3月8日判決)。 

(ケース4)

 ①事案芸術家の妻が芸術家の夫に財産分与を請求

 ②結論夫40%、妻60%

 ③ポイント妻も芸術家だった、妻は芸術活動の他、家事労働をしていた、妻の方が収入が多かった

 ④判例:裁判所は、妻と夫は芸術家としてそれぞれの活動に従事するとともに、妻は18年間家事労働に従事してきたこと、当事者双方の共同生活についての費用の負担割合(各自がそれぞれ必要なときに夫婦の生活費用を支出していた)、収入(妻が多い)を考慮して、妻の寄与割合を6割、夫の寄与割合を4割としました(東京家裁平成6年5月31日審判)。

 このように、医師等の専門家、会社経営者など、特別な能力や専門的知識を持ち、多額の資産を形成したような場合には、財産分与の割合が変わる場合があるので注意が必要です。

 

(3)会社の財産も分与しないといけないの?

 医師や会社経営者が離婚する場合、財産分与の割合だけでなく、財産分与の対象となる財産の範囲やその評価が問題となることがあります。

 たとえば、医師や会社経営者が個人で事業をしている場合には結婚している間に形成された財産は財産分与の対象になります。

 これに対して、会社を設立している場合には、一般的には個人の財産と会社の財産は別なので、会社の財産財産分与の対象になりません。

 ただ、名義上会社の財産であっても、個人の財産と同視されるようなときには、会社の財産も財産分与の対象となることがあります。

(ケース)

 ①事案妻が医師の夫に、医療法人の財産を含めて財産分与を請求

 ②結論会社の財産を財産分与の対象にした

 ③ポイント医療法人は実質的には個人経営だった

 ④判例:裁判所は、医療法人は開業後設立されたもので、実質上夫が独りで采配を振っていて、実質上の出資者は夫のみであり、夫の個人経営的色彩が強く、法人の資産収益関係も考慮に入れるべきとして、会社の財産を財産分与の対象とし、妻へ2000万円の財産分与の支払を認めました(福岡高裁昭和44年12月24日判決)。

 

(4)会社の株式があるときはどうやって評価するの?

 先程のように夫が医療法人の株主であったり、出資持分を持っていたりする場合には、株式や出資持分の評価額も問題になります。

 会社が上場していて市場価格がある場合には、市場価格を基準とすればよいのですが、市場価格がない場合には、類似業種と比較して評価したり(類似業種比準方式)、会社の純資産や負債を基準に評価したり(純資産価額方式)することになります。 

(ケース)

 ①事案妻が医師の夫に、医療法人の財産を含めて財産分与を請求

 ②結論純資産評価額の7割

 ③ポイント医療法人の事業運営上の変化の予想が困難

 ④判例:裁判所は、医療法人の財産は、婚姻共同財産であった個人の診療所の財産に由来することを理由として、夫名義の2900口、夫の母名義の50口、妻名義の50口の出資持分全部が財産分与の対象となるとした上で、出資持分の評価額については、将来出資持分の払戻請求や残余財産分配請求がされるまで、医療法人にどのような事業運営上の変化が生じるか確実な予想が困難であることを理由として、純資産評価額の7割相当額を出資持分3000口の評価額としました(大阪高裁平成26年3月13日判決)。

 

(5)妻が従業員・取締役になっているときはどうしたらいいの?

 会社を経営していると、妻を従業員として雇用していたり、取締役に就任させていたりすることがありますが、離婚するときには、この点についても処理しておく必要があります。

 妻が従業員の場合、夫婦であることを前提に雇用しているので、離婚すれば退職するのが一般的でしょうから、退職届の提出を受けて、きちんと退職の手続を取ることが必要です。

 万が一、退職に同意しない場合、解雇することになりますが、離婚が正当な解雇理由になるかどうかは難しいところがあります。したがって、できる限り合意によって退職してもらうのがよいでしょう。

 妻が取締役の場合も、同様に離婚すれば退任するのが一般的でしょうから、辞任届の提出を受けて退任登記の手続を取る必要があります。

 万が一、辞任に同意しない場合には、解任することになりますが、解任自体は理由のいかんを問わずできるものの、正当な理由なく解任した場合には、損害賠償をしなければいけません。離婚が解任の正当な理由となるかどうかは難しいところがあります。したがって、できる限り、辞任してもらうのがよいでしょう。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者は医師とのことですので、専門的知識によって財産の形成に大きく貢献したと考えられます。したがって、財産分与の割合が2分の1でない可能性があります。

 割合としては、収入の程度や妻の関与の度合い等によって異なりますが、6~7割りが目安になります。

 また、ご相談が医療法人を設立しているような場合には、場合によっては、医療法人の財産も財産分与の対象となるので、注意が必要です。

 妻が取締役に就任しているのであれば、退任登記の手続も必要です。

 

5.今回のポイント

 財産分の割合は2分の1が原則ですが、特別な能力や専門的知識によって財産の形成に大きく貢献したと認められるような場合には、貢献の程度に応じて、その割合が変わることがあります。

 財産分与の割合は、収入の程度や妻の関与の度合い等によって異なりますが、6~7割りが目安です。

 個人で事業をしている場合には、結婚している間に形成された財産は財産分与の対象になります。

 会社を設立している場合には、原則として、会社の財産は財産分与の対象になりません。

 ただ、名義上会社の財産であっても、個人の財産と同視されるようなときには、会社の財産も財産分与の対象となることがあります。 

 妻が従業員の場合、退職届の提出を受けて、退職の手続を取ることが必要です。

 妻が取締役の場合、辞任届の提出を受けて退任登記の手続を取る必要があります。

 

当弁護士へご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

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弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円 

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円 

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合          16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円 

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2016.06.24更新

離婚を考えている奥様から、専業主婦の財産分与の割合と借金の取扱いついてのご相談です。

結論:専業主婦であっても、原則として夫婦の共有財産の半分を請求することができます。借金も原則として半分を負いますが、そうでない場合もあります。

詳しくは下記のブログをお読みください。

離婚でお悩みの専業主婦の方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~17:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

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1.ご相談者

 50代の女性(主婦)

 ①夫は50代(会社員)

 ②婚姻期間は27年

 ③財産はマンション、預金

 

2.ご相談の内容

 子供が生まれてから、ささいなことで口論になり、夫が大声で怒鳴り散らします。もう何年も夫との会話はなく、部屋も別々で別居状態です。子供も成人しているので、離婚しようと思っています。

 私は、結婚してから子育てしかしておらず、専業主婦ですが、マンションも預金も全部夫の名義です。

 私のような専業主婦は、離婚する際に、夫にどれくらいの割合の財産を請求できるのでしょうか?

 借金はどうなるのでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 専業主婦であっても、夫婦の共有財産の半分を取得することができます。

 借金も原則として半分ずつ負担することになります。

 

(1)専業主婦の財産分与の割合はどれくらいなの?

 離婚をする場合、相手に夫婦の共有財産を分与するよう請求することができます。

 これを財産分与請求権といいます。

 夫婦の共有財産は、夫婦が協力して形成した財産なので、財産の形成について夫婦が平等に貢献したものと考えられます。

 したがって、財産分与にあたっては、夫と妻がそれぞれ2分の1ずつの権利を持つことになります。

 これを「2分の1ルール」といいます。

 したがって、専業主婦であっても、原則として夫婦の共有財産の半分を請求することができます。

  ただ、「2分の1ルール」はあくまで原則なので、相手が財産の形成に大きく貢献したと認められるような場合には、貢献の程度に応じて、その割合が変わることがあります。

  

(2)夫名義でも財産分与の対象になるの?

 財産分与は、夫婦が協力して形成した財産を清算する制度なので、夫婦の共有財産といえる限り、財産の名義は関係ありません。

 したがって、たとえ名義が夫になっていても、夫婦の共有財産といえる場合には、財産分与の対象になります。

 

(3)結婚する前に持っていた財産も分けるの?

 これに対して、 結婚前に取得した財産や、結婚している間にその人の名義で取得した財産は、夫婦の共有財産とはいえないので、財産分与の対象にはなりません。

 これを特有財産(とくゆうざいさん)といいます。

 たとえば、結婚前に持っていた預金や、結婚している間に相続した遺産などがこれにあたります。

 したがって、財産分与は、特有財産を除いた、夫婦の共有財産についてなされることになります。

 

(4)借金はどうするの?

 借金は財産ではありませんが、財産分与をするにあたっては、当然借金も考慮されます。

 たとえば、住宅を買った際に、住宅ローンを組んだ場合、住宅の価格から住宅ローンを控除した金額がプラスであれば、財産分与の対象となります。

 この場合、借金についても、夫婦がそれぞれ2分の1の責任を負うことになります。

 ただ、債務についても、個人的な債務といえるような場合には、全額が夫婦の債務として認められるわけではありません。

(ケース)

 ①事案妻の株取引等の損失の補填や生活費に使用するために1400万円の借金をした事案

 ②結論500万円についてのみ夫婦の債務とした

 ③ポイント借金は妻の個人的な投資の失敗による

 ④判例:裁判所は、借金は妻の個人的な投資の失敗に基づくものが大半であるから、財産分与算定の消極的要素としてこれを全額基礎にすることは相当でないとして、500万円についてのみ夫婦の債務としました(東京地裁平成5年2月26日判決)。

 なお、住宅の価格から住宅ローンを控除した金額がマイナスのような場合には、半分ずつ負担するといっても、財産分与の対象の財産がないことになるので、そもそも、財産分与請求はできません。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、ご主人が会社員とのことですので、一般的には財産の形成に大きく貢献したと認められるような事情はないことが多いでしょう。

 したがって、専業主婦であっても、夫婦共有財産の半分を財産分与によって取得することができます。

 財産は、マンションと預金とのことですが、夫婦の共有財産である限り、名義がどちらか一方になっていたとしても、財産分与の対象になります。

 住宅ローンが残っている場合には、マンションの現在の価格から住宅ローンを控除してプラスがあれば、それも財産分与の対象になります。

 

5.今回のポイント

 財産分与にあたっては、「2分の1ルール」に基づいて、原則として夫と妻がそれぞれ2分の1ずつの権利を持つことになります。

 専業主婦であっても、原則として夫婦の共有財産の半分を請求することができます。 

 夫婦の共有財産といえる限り、財産の名義は関係ありません。

 結婚前に取得した財産や、結婚している間にその人の名義で取得した財産は、財産分与の対象にはなりません。 

 借金についても、原則として、夫婦がそれぞれ2分の1の責任を負います。

 

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弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円 

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円 

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合          16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円 

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2016.06.18更新

妻が子供との面会交流の審判に応じないご主人から、面会を強制する方法についてのご相談です。

結論:強制的に子供を連れてきて面会させることはできませんが、間接的な強制執行は認められる場合があります。

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子供との面会交流でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~17:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者

 40代の男性(会社員)

 ①妻は30代(主婦)

 ②婚姻期間は11年

 ③小学生の子供1人

 

2.ご相談の内容

 妻が子供を連れて実家に帰り、離婚調停を申し立ててきたので、私は子供に面会させるよう面会交流の申立てをし、毎月1回子供に面会させる審判が出ました。

 ところが、私が妻に面会を求めても、子供の体調が悪いとか、子供が行きたくないと言っているなどと言って、子供に会わせてくれません。

 どうしたら妻に子供との面会を強制させることができるでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 子供との面会を実現する方法として、強制執行することができますが、強制的に子供を連れてきて面会させること(直接強制)は認められておらず、面会の命令に従わなかった場合に、金銭の支払を命じること(間接強制)しかできません。

 

(1)子供との面会を実現するためにどんな方法があるの?

 子供を監護養育していない親には、子供と面会すること(面会交流)が認められていますが、面会について合意できなかったり、子供との面会を拒否されたりした場合には、家庭裁判所に、子の監護に関する処分(面会交流)の調停・審判の申立てをして、子供との面会交流を求めます。

 調停や審判で子供との面会の方法が決められると、多くの場合、その方法に従って子供との面会が実施されますが、面会交流が認められたのに、相手方が子供と面会させないこともあります。

 そのような場合、子供との面会を実現する方法として、①履行勧告②再調停③強制執行の3つの方法があります。 

 

(2)履行勧告って何をするの?

 履行勧告は、家庭裁判所が調停や審判で定められた面会の履行状況を調査して、面会の履行を勧告します。

 家庭裁判所が勧告するので、それなりに意味はありますし、費用もかからないので、簡単にすることができます。

 ただ、あくまで勧告でしかなく、強制力がないので、相手が勧告に従わなければ意味はありません。

 

(3)再調停って何をするの?

 再調停は、もう一度面会交流の調停を申し立てて、再度話し合いをします。

 相手が面会させないのは、何らかの理由があるのが普通なので、その点について話し合うことで、面会交流が上手く行くこともあります。

 ただ、相手が調停に応じなかったり、調停をしても合意ができなければ意味はありません。

 

(4)強制執行って何をするの?

 強制執行は、子供との面会の実現を強制する措置を取ります

 ただ、強制執行といっても、面会交流は子供の引渡だけでなく、面会させることまで含まれ、直接強制に馴染まないとされているので、強制的に子供を連れてきて面会させること(直接強制)は認められていません。

 そのため、面会交流の強制執行は、相手方に調停や審判の内容を行うように命令し、その命令に従わなかった場合に、金銭の支払を命じる方法(間接強制)によって、面会させることになります。

 このように、強制執行といっても、強制的に子供を連れて来て面会させることができないので、その点で限界があります。

 

(5)どんな場合に間接強制が認められるの?

 調停や審判で決められた面会交流を履行しない場合には、正当な理由がない限り、間接強制によって面会交流を実現することができます(大阪高裁平成14年1月15日決定)。 

 たとえば、長男(8歳)が面会を拒否し、「面会交流による高ストレスにより、母との交流は不可」との医師の診断があることを理由に、面会を拒否した夫に対し、妻が間接強制を求めた事案で、裁判所は、裁判所の面会交流の決定が、子供が母と会いたくないとの意向を表明していることを前提としていること、同決定が母親単独での面会を定めているにもかかわらず、父親が面会に同行して子供に言葉をかけ、子供の忠誠葛藤を進行させた可能性があることを理由として、間接強制を認めました。その上で、以前の夫の収入が650万円であったこと、現在は収入がないこと、婚姻費用の支払が毎月5万円であることを理由に、面会の不履行1回につき8万円の支払を命じました(東京高裁平成24年1月12日決定)。

 また、調停で合意した長男(2歳)との面会を拒否した元妻に対し、元夫が間接強制を求めた事案で、裁判所は、長男は2歳であり、面接交渉が実現しないのは母親の意思に基づくこと、元妻が子の福祉を妨げるとして主張する事情は、面接交渉を拒否しうる阻害事由には当たらないことを理由に、間接強制を認めました。その上で、元妻が実家の手伝いをしながら、生活保護を受けていることを理由に、面会の不履行1回につき2万円の支払を命じました(大阪高裁平成19年6月7日決定)。

 なお、面会交流の間接強制をする場合には、面会の日時、場所、方法等について具体的に決められている必要があるので、注意が必要です。 

  もっとも、子供を監護している親に、面会交流をしない正当な理由がある場合や、面会と求める親に、面会交流の目的や方法・手段が不適当で権利の濫用にあたるような、間接強制を求めることができない特別の事情がある場合などには、間接強制が認められません。 

 たとえば、面会交流が子供に混乱を生じさせ、生活環境に悪影響を及ぼし、子供の福祉を害する場合や、面会交流が復縁目的の場合などには、間接強制が認められないとされています。 

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合も、審判で毎月1回、子供に面会させることになったのですから、母親は、正当な理由なく面会を拒否することはできません。

 子供の体調が悪いとか、子供が行きたくないと言っているという点については、本当に子供の体調が悪いのであれば仕方ありませんが、面会拒否が何回も続いているようだと、正当な理由とは言えない可能性があります。

 ご相談者としては、①履行勧告、②再調停、③間接強制の中から選んで、母に対して子供と面会させるよう求めることになります。

 この3つの方法の中でどれを選択するかは、相手のこれまでの対応にもよりますが、まずは、履行勧告から始めるのがよいでしょう。

  それでも面会せてくれないのであれば、強制執行によるほかありません。

 

5.今回のポイント

 調停や審判による面会交流を拒否された場合に、子供との面会を実現する方法として、①履行勧告、②再調停、③強制執行の3つの方法があります。 

 履行勧告は、家庭裁判所が調停や審判で定められた面会の履行状況を調査して、面会の履行を勧告しますが、費用がかからないので、簡単にできます。

 強制執行といっても、強制的に子供を連れてきて面会させること(直接強制)は認められていません。

 面会交流の強制執行は、相手方に調停や審判の内容を行うように命令し、その命令に従わなかった場合に、金銭の支払を命じる方法(間接強制)によってします。

 調停や審判で決められた面会交流を履行しない場合には、正当な理由がない限り、間接強制によって面会交流を実現することができます。

 

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弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円 

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円 

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合          16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円 

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2016.06.11更新

離婚する妻に子供との面会を拒否されているご主人から、子供と面会交流するための方法と条件についてのご相談です。 

結論:子供との面会を拒否されたときは、家庭裁判所に調停の申立てをして、面会交流の回数、日時、場所、方法などを決めることができます。

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子供との面会交流でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~17:00)タップするとつながります。

  ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

  

1.ご相談者

 30代の男性(会社員)

 ①妻は20代(主婦)

 ②婚姻期間は8年

 ③小学生の子供が1人

 

2.ご相談の内容

 突然、妻が離婚すると言って、子供を連れて出て行きました。離婚の決意は固いようで、離婚もやむを得ないと思っていますが、子供とは今後もぜひ会いたいと思っています。しかし、妻は、私が子供との面会を求めても、全く応じません。

 妻から子供との面会を拒否された場合に、子供と面会するにはどうしたらよいでしょうか?

 また、面会にあたってどのような条件を決めておけばよいでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 子供との面会を拒否された場合には、家庭裁判所に、子の監護に関する処分(面会交流)の調停・審判の申立てをして、子供との面会交流を求めます。

 面会に当たっては、面会交流の回数、日時、場所、方法などを決める必要があります。

  

(1)子供と面会するにはどうしたらいいの?

 離婚するにあたっては、父母と子供との面会その他の交流について定めることとされています(民法766条1項)。

 離婚すると父母のどちらかが親権者になり、子供を監護養育することになりますが、親権者とならなかった親として子供と会いたいと思うのは自然なので、法的な権利かどうか、親の権利なのか、子供の権利なのかといった議論はありますが、子供の監護の一内容として、子供を監護養育していない親が子供と面会すること(面会交流)が認められています(最高裁平成12年5月1日決定)。   

  したがって、子供を監護していない親は、子供を監護している親に対して、子供との面会を求めることができます。

 面会について合意できなかったり、子供との面会を拒否されたりした場合には、家庭裁判所に、子の監護に関する処分(面会交流)の調停・審判の申立てをして、子供との面会交流を求めます。

 なお、面会交流の申立てにあたっては、一般的に、祖父母や兄弟姉妹が面会交流を求めることはできないとされています。

 

(2)面会の条件はどうやって決めるの?

 面会交流について話し合うにあたっては、面会交流の回数、日時、場所、方法などの面会の条件を決める必要があります。

 面会交流の回数については、子供の年齢や部活など生活状況にもよりますが、1か月に1回、あるいは3~4か月に1回など様々です。

 面会交流の方法については、直接面会する場合には、宿泊をせず、数時間面会するのがほとんどですが、年に何回かは自宅や旅行など宿泊することもあります。

 直接面会することが認められない場合であっても、電話手紙のやりとり、写真プレゼントの送付など、間接的に交流することもあります。

 また、直接面会する場合であっても、当事者だけでは不安な場合には、費用がかかる場合もありますが、第三者機関が支援する方法もあります。

 

(3)調停はどうやって進むの? 

 当事者間の話し合いで面会について合意できなかったり、子供との面会を拒否されたりした場合には、まず家庭裁判所に面会交流の調停を申し立て、合意できない場合に、審判に移行するのが一般的です。

 調停では、子供を監護している親が、面会によって子供を連れ去られる危険や、相手方に対する嫌悪感もあって、面会交流を拒否することも多く、面会させるかどうか、面会の回数や方法などで激しく対立することも多く、長期化することもしばしばです。

 裁判所は、離婚に至る経緯はもちろん、同居していたときの子供の監護状況や親子関係、別居後の子供の監護状況、子供の意向などについて、双方から意見を聴きます。

 また、子供の意向や監護状況を調査するため、子供や親に対して家庭裁判所調査官による調査が行われたり、監護していない親と子供との交流を観察するために、裁判所の中で試行的に面会交流が行われることもあります。

 

(4)家庭裁判所調査官の調査って何をするの?

 面会交流を決めるにあたって、心理学や社会学、教育学の専門的知識を持つ家庭裁判所調査官が調査をすることがあります。

 調査官は、調査にあたって、子供に、生活状況や親との関係、面会交流についての意向などを聞きます。また、に対しても、現在の生活状況、現在あるいは別居前の親子関係、面会交流についての意向などを聞きます。

 他に、面会交流を認めるべきかどうか、どのような方法によって面会交流を認めたらよいかなど、面会交流についての意見を述べたりします。

 子供への調査は、ほとんどの場合、家庭を訪問して、直接面接して行われます。この場合、同居の親の影響を受けないように、親のいないところで面接が行われます。

 調査官は、調査の結果を報告書として裁判所に報告しますが、裁判所は、この報告書をもとに面会交流を認めるかどうかを決めることが多いので、当事者にとってはとても重要です。

 子供が15歳以上の場合、親権者の変更にあたって、法律上、子供の意見を聞く必要がありますが(人事訴訟法32条4項)、そうでない場合であっても、小学生くらいであれば子供の意見が聞かれることは多いといえます。

 

(5)試行的な面会交流って何をするの?

 試行的な面会交流は、子供と監護していない親との交流を観察して両者の関係を見たり、監護している親が実際に交流の様子を見ることによって不安を解消したりするために行われます。

 小さな子供を対象として行われることが多く、裁判所の中にある、おもちゃなどが置いてあるプレイルームで行われます。

 プレイルームには、監護していない親と子供の他は調査官がいるだけで、監護している親は別室でその様子を見ます。

 調査官は、プレイルームにはいますが、親と子供の交流がスムーズに行くように声を掛けたり、子供を不安にするようなことを言わないよう注意したりする程度で、親と子供の交流を観察しています。

 面会交流は30分程度です。

 調査官は、試行的な面会交流の結果を報告書として裁判所に報告しますが、裁判所は、この報告書をもとに面会交流を認めるかどうかを決めることも多いので、当事者にとってはとても重要です。

  

(6)面会交流はどんな基準で判断するの?

 子供を監護養育していない親であっても、親子関係があることは間違いありませんし、子供の健全な成長の観点からも、できる限り面会交流が認められるべきとされています。

 ただ、面会交流にあたっては、子供の利益を最優先しなければならないとされているので、「子の福祉」が害されるような場合には、面会交流は認められません。

 たとえば、監護していない親が子供に暴力をふるっていたような場合には、面会によって子供に与える影響は大きいので、面会交流は認められません。

 面会交流を認めるかどうかは、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、面会交流を認めることによって「子の福祉」を害さないかどうかで判断されます。

  具体的には、子供の年齢、子供の意向、子供の心身に及ぼす影響、子供の監護の状況、監護している親の生活状況、監護養育していない親と子供との関係、離婚原因等が考慮されます。

   

(7)面会交流はどんな場合に認められるの?

 たとえば、離婚後、元妻から子供が不安定になることを理由に面会交流を拒否されたため、父親が長女(12歳)、長男(9歳)、二女(6歳)との面会交流を求めた事案で、裁判所は、長女は父親に強い否定的感情を抱いているとは認められないこと、現在12歳で、両親の関係について理解し、自身で父との面接の可否について自立的に判断できること、長男は、両親の激しい紛争を見て、父親との面会交流を希望していないこと、二女は、意向ははっきりしないが、年齢から意向を重視できないこと、面会交流を拒否する母親の協力は得られず、なお面会交流を実現しようとすると、両親の紛争を再燃させ、子の福祉を害するおそれがあることを理由に、長女については面会交流を認めましたが、長男と二女については面会交流を認めませんでした(東京家裁八王子支部平成18年1月31日審判)。

 ここでは、子供の意向が重視されています。

 また、再婚した元妻が長男(13歳)と長女(9歳)との面会交流に強く反対して面会できないことから、元夫が子供たちとの面会交流を求めた事案で、裁判所は、子供たちが再婚相手と養子縁組して新たな親子関係が形成され、安定した生活を送っていること、長女はまだ小学4年生で十分な分別心がなく、単独で面会交流をさせると心理的な動揺や混乱を招くおそれがあること、他方、長男は中学2年生で、元妻の協力がなくても単独で面会交流が可能で、離婚や再婚についても理解できる年齢にあることを理由に、長女については面会交流を認めませんでしたが、長男については年1回の面会交流を認めました(横浜家裁平成8年4月30日審判)。 

 ここでは、子供の年齢や心身への影響が重視されています。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、妻が子供との面会に応じないとのことなので、当事者の話し合いで解決するのは困難です。したがって、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に面会交流の申立をする必要があります。

 ただ、離婚もやむを得ないと考えているのであれば、離婚の調停の中で、親権者を決めて、面会交流についても話し合うのも1つの方法です。

 面会交流は、親権とも絡むのでなかなか難しいですが、特に子供に対する暴力など、子の福祉を害するような事情がなければ、面会交流は認められる可能性は高いといえるので、面会交流の条件についてしっかり整理して主張するようにしましょう。

 

5.ご相談後の対応

 ご相談後、奥様の代理人と交渉を開始しました。

 離婚については双方で一致しましたが、面会交流については合意できなかったので、奥様の方で離婚調停を申し立ててもらい、その中で、面会交流について話し合いました。

 奥様は、夫と子供の面会交流を認めず、その理由として、子供が夫と会うのを嫌がっていることを挙げていましたが、ご主人としては、これまでそのようなことはなく、子供がそのようなことを言うはずがないし、妻が子供に吹き込んでいるだけだと主張しました。

 そこで、まず、家庭裁判所の調査官が子供や両親と面談して(意向調査)、子供の生活状況や意向を確認し、その後、一度、裁判所で試行的な面会交流をすることになりました。

 意向調査では、子供から、父に対して否定的な発言もありましたが、「お父さんと会ってもいい」ということで、裁判所で面会交流をしました。

 面会交流では、久しぶりにお父さんと会ったからか、最初はぎこちなった様子でしたが、次第に打ち解けた様子でした。

 その後、意向調査と試行的な面会交流を踏まえた調査官の意見に基づいて、最初は1か月に1回の面会交流から始め、慣れたら徐々に面会を増やすことで合意ができました。

   

6.今回のポイント

 子供を監護養育していない親は、子供の監護の一内容として、子供と面会すること(面会交流)が認められています。

 面会交流について話し合うにあたっては、面会交流の回数、日時、場所、方法などの面会の条件を決める必要があります。

 面会について合意できなかったり、子供との面会を拒否されたりした場合には、家庭裁判所に、子の監護に関する処分(面会交流)の調停・審判の申立てをします。

 裁判所は、離婚に至る経緯はもちろん、同居していたときの子供の監護状況や親子関係、別居後の子供の監護状況、子供の意向などについて、双方から意見を聴きます。

 また、子供の意向や監護状況を調査するため、子供や親に対して家庭裁判所調査官による調査が行われたり、監護していない親と子供との交流を観察するために、裁判所の中で試行的に面会交流が行われることもあります。 

 裁判所は、調査官の調査報告書をもとに面会交流を認めるかどうかを決めることが多いので、当事者にとってはとても重要です。 

 「子の福祉」が害されるような場合には、面会交流は認められません。

 面会交流を認めるかどうかは、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、面会交流を認めることによって「子の福祉」を害さないかどうかで判断されます。 

 

当弁護士へご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

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>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

 

弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円 

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円 

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合          16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円 

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2016.06.07更新

今回は、離婚を考えている奥様から、夫に連れ去られた子供の取り戻しについてのご相談です。

結論:子の監護者の指定と子の引渡の審判の申立、審判前の保全処分の申立によって子供を取り戻すことが可能です。

詳しくは下記のブログをお読みください。

子供を連れ去られてお悩みの方は、無料相談をご利用ください。 

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

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 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者

  30代の女性(主婦)

 ①夫は40代(会社員)

 ②婚姻期間は7年

 ③小学生の子供が1人

 

2.ご相談の内容

 夫の暴言に嫌気がさして、離婚を決意して子供を連れて実家に帰りました。ところが、夫と離婚の話し合いをしている間に、夫が子供を連れ去ってしまいました。私は、何度も子供を返すように言っているのですが、夫は聞く耳を持たず、子供にはいつも夫の母がついていて、子供を返してくれません。

 夫が連れ去った子供を取り戻すにはどうしたらよいでしょうか? 

 

3.ご相談への回答

 子供の住所地を管轄する家庭裁判所に監護権者の指定と子の引渡の審判の申立てをしたうえで、審判前の保全処分の申立てをします。

  

(1)子供を取り戻すにはどんな方法があるの?

 子供を取り戻す方法として、子の監護者の指定と子の引渡の審判の申立審判前の保全処分の申立をする、②離婚訴訟等の附帯請求としての子の引渡請求、保全処分の申立をする(人事訴訟)、③人身保護法に基づいて子の引渡請求をする、④妨害排除に基づく子の引渡請求をする(民事訴訟)、⑤告訴等による逮捕等の刑事手続により子供を取り戻す方法があります。

 これらの中で、一方の親の下で監護されていた子供が他方の親に連れ去られたような場合には、①の方法を採るのが一般的です。

 以前は、子供を取り戻すために、人身保護法に基づく子の引渡請求(③)がなされていました。

 ところが、最高裁判所が「拘束している親の監護が、他方の親の監護に比べて子の福祉に反することが明白である場合」でなければ人身保護請求は認められない(最高裁平成5年10月19日判決、同平成6年4月26日判決)としたため、現在では人身保護請求が厳格に解されています

 また、刑事手続(⑤)については、夫が別居中の妻が養育していた2歳の長男を、保育園から帰る途中に車で連れ去った事案で、最高裁判所が、妻とその両親に監護養育されて平穏に生活していた長男を連れ去った行為は未成年者略取罪にあたる(最高裁平成17年12月6日決定)としてからは、未成年者略取罪にあたるような場合には刑事手続を利用することはできるようになりました。ただ、逆に言うと、子供の年齢や監護の状況などに照らして、未成年者略取罪にあたるような違法性がなければ、刑事手続を利用することができません。

 このようなことから、親同士の間で子供の取り戻しが問題になっている場合には、迅速に、確実に子供を取り戻すために、①の方法によるのが一般的になっています。

 なお、子の引渡の調停を申し立てる場合は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをします。

 

(2)子供の引渡はどんな基準で判断するの?

 子供の引渡は、いずれが監護するのが適当かということなので、その判断基準は、親権者の指定のときの基準とほぼ同じで、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、どちらが監護権者となるのが子供の利益になるかで判断します。

 具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。

 このような事情をもとに、監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則子供の意思を尊重すべきとする原則、兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則、面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等を基準として、最終的にどちらが監護権者に相応しいかを判断して、子供を引き渡すかどうかを決めます。

 

(3)子供の引渡はどんな場合に認められるの?

 子供の引渡は、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して決めるので、子供の引渡が認められるかどうかはケースバイケースです。

 例えば、夫が面会交流後、妻が実家で監護していた長男(9歳)と二男(5歳)を、無理矢理、車に乗せて連れ去ったため、妻が監護者の指定と子供の引渡の審判を求めた事案で、裁判所は、これまで主に監護していた妻の下で継続的に養育されていたこと、1年以上実家で安定して養育されていたこと、現在の生活が違法な連れ去りによって作り出されていることを理由に、妻への子供の引渡を認めました(さいたま家裁川越支部平成24年4月26日審判)。

 ここでは、監護の継続性が重視されています。

 また、夫が、転居先も教えずに、妻のいない間に長女(3歳)を連れて突然自宅を出て行ったため、妻が監護者の指定と子供の引渡の審判を求めた事案で、裁判所は、同居中の主たる監護者は妻であること、夫が妻の非難に耐えられず、子供を巻き込んで家を出た行為は、別居の際に子供の福祉を考慮したとは認められず、監護者の適格に疑問があること、近隣に聞こえるほどの怒鳴り声をたびたび子供に浴びせ、近隣住民から児童相談所に通告されていることを理由に、妻への子供の引渡を認めました(東京高裁平成29年2月21日決定)。

 ここでは、父親の監護者としての不適格性が重視されています。 

 

(4)審判前の保全処分って何?

 審判前の保全処分は、審判による子供の引渡の実現を保全するためになされる、強制執行が可能になるまでの間の暫定的な処分です。

 子の引渡の審判は、即時抗告されると確定しないので、子供の引渡が認められても確定するまで子供の引渡ができません。

 これに対して、審判前の保全処分は、告知によって効力が発生し、即時抗告によって執行が停止されないので、子供の引渡が認められれば、即時抗告されても強制執行をすることができます。そのため、子の引渡の審判の申立をするときは、一緒に審判前の保全処分を申し立てます。

 一般的に保全処分を命じるにあたっては、担保を立てさせるのが原則ですが、子の引渡の場合には、担保を立てさせないことが多いようです。

 保全処分の審判に不服がある場合は、審判の告知を受けてから2週間以内即時抗告をする必要があります。

 なお、子の引渡の保全処分が認められたことに不服がある場合には、即時抗告によって執行は停止されないので、執行を停止させるために、即時抗告と一緒に執行停止の申立をする必要があります。

 

(5)どんな場合に保全処分が認められるの?

 保全処分が認められるためには、①本案の審判で子供の引渡が認められる蓋然性があること②保全の必要性があることが必要です。これらの要件を充たせば、子の引渡の保全処分が認められます。

 例えば、離婚調停の不成立後、夫の監護している長男(3歳)を保育園から無断で連れ出した妻に対し、夫が子の引渡の保全処分を申し立てた事案で、裁判所は、妻が子供を一方的に連れ去っていること、夫が速やかに子供の引渡を求める保全処分を申し立てたこと、夫の監護の下に戻しても子供の健康が著しく損なわれたり、必要な養育監護がなされなかったりするおそれがないことを理由として、夫への子供の引渡を認めました(東京高裁平成20年12月18日決定)。

 逆に、これらの要件が充たされないと、保全処分は認められません。

 例えば、妻のいない間に長男(9歳)と二男(7歳)を連れて家を出た夫に対し、妻が子の引渡の保全処分を申し立てた事案で、裁判所は、夫は、妻の父親との面談を経て移動したもので、子供たちを強制的に奪取したとはいえないこと、現在の子供たちの生育環境は劣悪とは認められないこと、従前の子供たちの監護の状況に妻と夫とで主従の差がないこと、本案審判の内容いかんによって子供たちの成育環境に多大な影響を与えるおそれが高いことを理由として、妻への子供の引渡を認めませんでした(東京高裁平成28年6月10日決定)。

 

(6)相手が子供を引き渡さないときはどうすればいいの?

 子供の引渡が認められたのに、相手が子供を引き渡さない場合、地方裁判所に強制執行の申立をします。

 強制執行には、直接強制間接強制があります。

 直接強制は、執行官が子供のいる自宅に行って直接子供を引き渡す方法です。

 間接強制は、子供を引き渡さない場合に、一定の金銭の支払を命じることによって間接的に子供の引渡を強制する方法です。

 子供の引渡を求める親としては、当然直接強制を求めることになりますが、現時点では、直接強制は、乳幼児や小学生低学年など、子供に意思能力がないと判断されるような場合にしかできないとされています。

 また、直接強制とはいっても、執行官は、子供に対する影響を考慮して、できるだけ穏便に子供を引き渡すよう相手の親を説得しますし、子供が拒否していたり、泣いて親にしがみついているような場合にまで無理矢理連れて行くことはできません。そのため、結果として執行ができず、執行不能となることも多く、直接強制が成功することは少ないといわれています。

 例えば、先程の夫が面会交流後、妻が実家で監護していた長男(9歳)と二男(5歳)を、無理矢理、車に乗せて連れ去ったため、妻への子供の引渡が認められた事案(さいたま家裁川越支部平成24年4月26日審判)では、審判前の保全処分でも、同様の結論が出され、強制執行が行われましたが、長男が父親の下にいたいと言ったことから、強制執行が不能となっています(東京高裁平成24年6月6日決定参照)。

  なお、保全処分に基づいて強制執行する場合には、債権者に保全命令が送達された日から2週間以内に着手する必要があるので、注意が必要です。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、専業主婦ということなので、これまで奥様が主に子供の監護を行ってきたものと思われます。その後も、継続して子供を監護していることからすると、監護の継続性が認められます。

 離婚原因は子の引渡に直ちに影響しないと言っても、すぐに怒鳴って暴言を吐くというのでは、子供の成長にとって好ましいものとは言えないでしょう。

 また、違法に連れ去っていることを考えると、子供の引渡が認められる可能性は高いと言えます。

 子供の住所地を管轄する家庭裁判所に監護権者の指定と子の引渡の審判の申立てをしたうえで、審判前の保全処分の申立てをするとよいでしょう。

 

5.今回のポイント

 一方の親の下で監護されていた子供が他方の親に連れ去られたような場合、子供を取り戻すためには、子の監護者の指定と子の引渡の審判の申立、審判前の保全処分の申立をするのが一般的です。

 子供の引渡は、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、どちらが監護権者となるのが子供の利益になるかで判断します。

 具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。

 その上で、監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則、子供の意思を尊重すべきとする原則などを踏まえて、子供を引き渡すかどうかを決めます。

 審判前の保全処分は、審判による子供の引渡の実現を保全するためになされる、強制執行が可能になるまでの間の暫定的な処分で、即時抗告されても強制執行をすることができます。 

 保全処分が認められるためには、①本案の審判で子供の引渡が認められる蓋然性があること、②保全の必要性があることが必要です。

 相手が子供を引き渡さない場合、地方裁判所に直接強制の強制執行の申立をします。

 直接強制は、乳幼児や小学生低学年など、子供に意思能力がないと判断されるような場合にしかできないとされています。

 また、直接強制とはいっても、子供への影響を考慮するので、結果として執行ができず、執行不能となることも多く、直接強制が成功することは少ないといわれています。

  保全処分に基づいて強制執行する場合には、債権者に保全命令が送達された日から2週間以内に着手する必要があります。

 

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弁護士費用(税別)

① 子の引渡審判事件

  着手金 20万円 

  報酬金 20万円

 

 

② 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円 

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

③ 離婚訴訟事件

  着手金 30万円 

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

④ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合          16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

⑤ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑥ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円 

  報酬金 0円

  

⑦ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2016.06.03更新

今回は、離婚したお父様から、親権者の変更についてのご相談です。

結論:現在の監護状況が子供の利益にならない場合には、親権者を変更できる可能性があります。

詳しくは下記のブログをお読みください。

親権者の変更でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

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1.ご相談者

 30代の男性(会社員)

 ①元妻は30代(会社員)

 ②婚姻期間は6年

 ③子供は小学生が1人

 

2.ご相談の内容

 元妻とは性格が合わず、口論が絶えなかったので、4年前に協議離婚しました。そのときは、子供もまだ小さかったので、仕方なく元妻を親権者とすることに同意しました。

 ところが、最近、元妻が実家から出て行き、子供の面倒を看ず、祖母と生活していることが分かりました。

 親権者を私に変更することはできるでしょうか?

  

3.ご相談への回答

 現在の監護状況が子供の利益にならない場合には、親権者が変更されることがあります。

 

(1)父母の合意で親権者を変更してもいいの?

 離婚のときに父母の一方を親権者と決めても、その後、親権者の病気や死亡により親権を行使できないような場合や、親権者として不適当な事情がある場合には、親権者を変更することができます。

 この場合、父母の合意だけで親権者を変更することはできません。

 また、親権者が死亡した場合も、当然に他方の親が親権者になるわけではありません。

 親権者を変更するためには、家庭裁判所に親権者変更の調停・審判の申立をする必要があります。

  

(2)親権者の変更はどんな基準で決めるの?

 裁判所は、親権者を決めるにあたって、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、親権者を変更するのが子供の利益になるかで判断します。

 具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。

 このような事情をもとに、監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則子供の意思を尊重すべきとする原則兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等を基準として、最終的に親権者を決定します。

  

(3)どんな場合に親権者が変更されるの?

 よく親権者の変更が問題になるのは、親権者の現在の監護状況に問題がある場合です。

 例えば、協議離婚の際に母が長男(4歳)と長女(3歳)の親権者とされたが、子供たちは父の両親の自宅で生活している中、父が親権者の変更を求めた事案で、裁判所は、①子供たちが父及びその両親に監護養育され、安定した生活を送っていること、②婚姻生活中、母は食事の世話等はしていたが、夜間のアルバイトをしていため、入浴や就寝は父がし、その間の子供の幼稚園の欠席日数も少なくないこと、③母は幼稚園の行事への参加に消極的で、保育料の支払もしていないこと、④母には監護補助者がなく、監護養育に不安があること、⑤強硬に親権者を主張する母に譲歩して親権者とされただけで、母に監護能力があることを認めて親権者が指定されたわけではないこと、⑥母は幼児がいながら婚姻期間中に不貞行為をし、監護意思や監護適格を疑わせることを理由に、親権者を父に変更しました(福岡高裁平成27年1月30日決定)。

 ここでは、父による監護の状況母親の監護の不適格性が重視されています。

 また、協議離婚の際に母が子供(10歳)の親権者とされ、母の実家で生活していたが、母が親族と不仲になって実家を出て、子供が一緒に行かない中、父が親権者の変更を求めた事案で、裁判所は、①母の実家で母の親族に監護されている状況に問題点がないこと、②母の親族と父との関係は良好だが、母の親族と母の関係は良好でないこと、③子供が母と生活したくないと述べていることを理由に、親権者を父に変更しました(東京家裁平成26年2月12日審判)。

 ここでは、母親による監護の状況の変化子供の意思が重視されています。

 なお、この事案では、月に1回、子供が週末に父の自宅に宿泊して、父と子供との間に交流があるとされています。 

 親権者の変更は、様々な要素を考慮して判断されるので、一概には言えませんが、親権者が変更される場合のとして参考になるでしょう。

 

(4)家庭裁判所調査官の調査って何をするの?

 ところで、親権者を変更するかどうかを決めるにあたっては、心理学や社会学、教育学の専門的知識を持つ家庭裁判所調査官が調査をすることがあります。

 調査官は、子供に、監護の状況、例えば、子供の生活状況心身の状況を聞いたり、親との関係親権者についての意向を聞いたりします。また、に対しても、就労状況、経済状況、子供との関わりなどについて聞きます。

 他に、どちらが親権者としてふさわしいか意見を述べたりします。

 子供への調査は、ほとんどの場合、家庭を訪問して、直接面接して行われます。この場合、同居の親の影響を受けないように、親のいないところで面接が行われます。また、必要に応じて、学校や保育園等を訪問して調査をすることもあります。

 調査官は、調査の結果を報告書として裁判所に報告しますが、裁判所は、この報告書をもとに親権者の変更を決めることが多いので、当事者にとってはとても重要です。

 子供が15歳以上の場合、親権者の変更にあたって、法律上、子供の意見を聞く必要がありますが(人事訴訟法32条4項)、そうでない場合であっても、小学生くらいであれば子供の意見が聞かれることは多いといえます。

  

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、元妻が実家を出て子供の面倒を看ずに、祖母が面倒を看ているということですので、離婚当初と監護の状況が変化しているといえます。

 実家を出た経緯や、母と祖母との関係、子供と母の関係、子供と父の関係、子供の年齢や意思などの点が実際にどうなのか分からないので、直ちに親権者の変更ができるとは断言できませんが、現在の監護状況では子供の利益にならないような事情があれば、親権者が変更される可能性はあります。

 ただ、当然のことながら、子供と父との関係が良好であることが前提なので、日頃からきちんと子供と交流していることが重要です。

 

5.今回のポイント

 父母の合意だけで親権者を変更することはできません。

 親権者を変更するためには、家庭裁判所に親権者変更の調停あるいは審判の申立をする必要があります。

 親権者の変更は、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、親権者を変更するのが子供の利益になるかで判断します。

 父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。

 監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則、子供の意思を尊重すべきとする原則、兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則、面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等によって判断されます。

 親権者の変更にあたっては、子供との関係が良好であることが前提なので、日頃からきちんと子供と交流していることが重要です。

 親権者を変更するかどうかを決めるにあたっては、家庭裁判所調査官が子供や親に対して調査をすることがあります。 

 裁判所は、調査官の報告書をもとに親権者の変更を決めることが多いので、当事者にとってはとても重要です。

 

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弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円 

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円 

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合          16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円 

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2016.06.02更新

今回は、奥様の浮気(不倫)が原因で離婚を考えているご主人から、浮気をした妻の親権についてのご相談です。

結論:妻が浮気をしたとしても、妻が親権者になる場合もあります。

詳しくは下記のブログをお読みください。

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1.ご相談者

 30代の男性(会社員)

 ①妻は30代(会社員)

 ②婚姻期間は6年

 ③幼稚園と3歳の2人の子供

 

2.ご相談の内容

 私も妻もそれぞれ仕事をしていますが、最近、妻が会社の同僚と浮気(不倫)をしていることが分かりました。小さい子供もいるので、私も色々と考えましたが、やはりどうしても我慢できず、離婚したいと考えています。ただ、浮気(不倫)をした妻が子供を育てるのはおかしいと思います。

 浮気(不倫)をした妻が親権者になれるのでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 親権者を決めるにあたって、浮気(不倫)が考慮されることはほとんどなく、浮気(不倫)をした妻が親権者となることもあります。 

 

(1)親権者はどんな基準で決めるの?

 離婚する場合、父母の一方を親権者と決めなければいけませんが、夫婦で話し合いがつかなければ、家庭裁判所が親権者を決めることになります。

 裁判所は、親権者を決めるにあたって、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、どちらが親権者となるのが子供の利益になるかで判断します。

 具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。

 このような事情をもとに、監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則子供の意思を尊重すべきとする原則兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等を基準として、最終的に親権者を決定します。

  

(2)浮気(不倫)をした妻が親権者になれるの?

 このように、親権者は「子供の利益」の観点から総合的に判断され、浮気(不倫)などの離婚原因はあくまで1つの事情にすぎません。

 したがって、妻が浮気をしたからといって、当然に夫が親権者になるわけではありません。 

 たとえば、夫が妻の浮気を理由に離婚と長女(16歳)・長男(11歳)の親権を求めた事案で、裁判所は、妻の浮気を認めた上で、子供たちが別居後、母と生活していること、学校には浮気相手の自宅から通学し特段の不自由は感じていないこと、長女は父と生活することを望んでいないことを理由に、親権者を母としました(東京地裁平成17年1月25日判決)。

 また、夫が妻の浮気を理由に離婚と長男(10歳)の親権を求めた事案では、裁判所は、婚姻が破綻した原因は、妻の度を越した遊興生活や子供を連れて長期間別居するなどの自己本位な態度によるとした上で、長男は母の監護の下、母の実母や兄弟と生活していること、現在は母が昼間のみ勤務し、長男と過ごす十分な時間を確保していること、長男の生育状況が極めて健全であること、長男がまだ10歳で、母親の情愛が不可欠であること、長男自身が母親との生活に親和性を感じていることを理由として、親権者を母としました(東京地裁平成17年2月22日判決)。

 このように、親権者を決めるにあたって、浮気は考慮されていません。むしろ、子供が一緒に生活していることや子供の意思が重視されているといえます。

 

(3)妻が浮気(不倫)をしても夫は親権者になれないの?

 もちろん、妻が浮気をしたときに、夫が親権者になる場合はあります。

 たとえば、夫が妻の浮気と悪意の遺棄を理由に離婚と長男(7歳)・二男(6歳)・長女(5歳)の親権を求めた事案で、裁判所は、妻の浮気を認めた上で、夫が住んでいるマンションは子供と同居しても十分な広さがあること、夫には子供の養育に必要な資力があること、同居の実母が子供の養育に協力する旨を申し出ていること、父がフィリピンを訪れ、子供たちが父を歓迎していること、妻は子供たちをフィリピンにおいて妹に面倒をみさせ、自分は日本で就労していることを理由として、親権者を父としました(東京地裁平成15年12月16日判決)。

 ただ、この場合も、妻の子供に対する監護の状況から、親権者としての務めを果たすことは期待できないとして親権者を夫としたのであって、妻の浮気を理由にしているわけではありません。 

 また、夫が妻の浮気を理由に離婚と長男(高校生)・長女(中学生)の親権を求めた事案で、裁判所は、妻の浮気を認めた上で、長男については、いったん母と家を出たが、数日後自らの意思で父のもとに戻って、父のもとから高校に通学していること、父の長男に対する養育状況に問題がないこと、母が長男の親権を求めていないことを理由として、親権者を父としましたが、長女については、母と家を出た後、母と同居し、母のもとから学校に通学していること、父の強権的な面に強い嫌悪感を表明し、今後も母と生活することを望んでいること、母の長女に対する養育状況に問題がないことを理由として、親権者を母としました(東京地裁平成17年2月10日判決)。

 ここでも、妻の浮気を理由に親権者を夫としていませんし、長女については妻を親権者としています。 

 こうしてみると、いずれにせよ、親権者を決めるにあたって、浮気は考慮されていません。

  

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、確かに、離婚の原因は妻の浮気(不倫)にあるので、浮気(不倫)をした妻が親権者となるのはおかしいという考えは心情的には理解できます。

 ただ、実際に裁判になった場合には、浮気(不倫)をしたことからすぐに親権者があなたになるわけではありません。

 特に、子供が幼稚園と3歳ということなので、母親が親権者となる可能性が高いと言えます。 

 あなたが親権者になるためには、妻が育児を放棄しているなど、監護養育の観点からみて問題となる事情が必要で、このような事情がないと、親権者となるのはなかなか難しいと言えます。

 

5.今回のポイント

 親権者は、父母の事情と、子供の事情を総合的に考慮して、どちらを親権者とするのが「子供の利益」になるかで判断します。

 具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。

  浮気(不倫)などの離婚原因はあくまで1つの事情にすぎず、妻が浮気(不倫)をしたからといって、直ちに夫が親権者になれるわけではありません。

  

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弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円 

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円 

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合          16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円 

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2016.06.01更新

今回は、離婚を考えているご主人から、父親の親権についてのご相談です。

結論:子供の監護の状況などによっては、父親が親権者となる可能性があります。

詳しくは下記のブログをお読みください。

父親の親権でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者

 40代の男性(会社員)

 ①妻は40代(主婦)

 ②婚姻期間は15年

 ③2人の小学生の子供

 

2.ご相談の内容

 妻と性格が合わず、ちょっとしたことですぐに口論になります。長年このような状態が続き、家庭内別居のようになっているので、妻と離婚の話をしているのですが、どちらが親権者になるか揉めています。父親はなかなか親権者になれないと聞きます.

  父親が親権者になるにはどうしたらよいでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 9割程度は母親が親権者になるといわれていますが、父親が親権者になる場合が全くないというわけではありません。

 父親が親権者となるためには、子供の意思や、これまでの監護の関わり方、現在子供を監護していること、妻の親権者としての不適格性を基礎づける事情などが重要です。

    

(1)親権者はどんな基準で決めるの?

 離婚する場合、父母の一方を親権者と決めなければいけませんが、夫婦で話し合いがつかなければ、家庭裁判所が親権者を決めることになります。

 裁判所は、親権者を決めるにあたって、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、どちらが親権者となるのが子供の利益になるかで判断します。

  具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。

 このような事情をもとに、監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則、子供の意思を尊重すべきとする原則、兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則、面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等を基準として、最終的に親権者を決定します。

 

(2)子供が小さいと親権者は母親になるの?

 このように、親権者は、どちらを親権者とするのが子供の利益になるかで判断するので、必ずしも父親が親権者になれないわけではありません。 

 とはいえ、母親が親権者になることが多いのも事実で、実際には9割程度は母親が親権者になるといわれています。

 これは、先程の親権者の判断基準の中に「乳幼児は、母親の監護養育が優先されるべき」という考え(母親優先の原則)があるからです。そのため、父親に子供の監護養育に特に問題がない場合であっても、母親が親権者になることが多いのです。

  

(3)父親が親権者になれるのはどんな場合?

 父親が親権者になる場合は少ないですが、全くないというわけではありません。

 例えば、妻が夫の暴力と女性関係を理由に離婚と長女(3歳8か月)の親権を求めた事案で、裁判所は、長女は夫が転居した後も夫と同居を続けていること、その間、夫が愛情をもって長女を養育し、長女の養育に特段の問題はないこと、妻は1年以上長女と面会しなかったこと、長女は妻を母親であるとの認識がないような状態になったことから、父と同居して良好な関係が係属している現状を維持することが相当であるとして、父を親権者としました(東京地裁平成17年10月12日判決)。   

 ここでは監護の継続性が重視されています。

 また、妻が夫の自己中心的な性格等を理由に離婚と長女(16歳)・長男(13歳)の親権を求めた事案で、裁判所は、夫の人格的問題については、親権者指定においてさほど重視すべき要因ではないこと、子供の年齢からすると、親権者としての母の必要性は相当程度減退していること、これまでは妻が子供との接触を保っていたが、離婚後は仕事で子供との接触が少なくなることが予想される一方、夫については、これまで休日に長男と過ごす時間を持っていたことが認められ、今後は自宅での仕事時間を増やして帰宅時間を早めることで、子供との接触時間を増やすことが可能であること、子供の年齢に照らすと、同性の親を必要とする度合いが高い段階にあることを理由として、長女の親権者を母、長男の親権者を父としました(東京地裁平成17年8月22日判決)。

 ここでは兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則とは逆の結論になっていますが、子供の年齢と性別が重視されています。

 ちなみに、この判例では、離婚原因は、夫ではなく、妻が自分の要求を押し通し、全ての非は夫にあるとして夫を排除する行動をとったことにあるとしています。

 他にも、夫が妻の異常行動を理由に離婚と長女(14歳)の親権を求めた事案で、裁判所は、子供が母の異常行動や過干渉を嫌悪し、家出していること、子供は現在14歳であり、その意向を尊重すべきこと、経済的に母が単身で子供の監護をするゆとりがないこと、子供は親が日常的な家事を行わなければならないほど未成熟でないこと、父の住居には兄弟等が住み、子供の監護を期待できることを理由として、親権者を父としました(東京地裁平成17年1月26日判決)。

 ここでは子供の意思の尊重が重視されています。

 

(4)家庭裁判所調査官の調査って何をするの?

 ところで、親権者を決めるにあたっては、心理学や社会学、教育学の専門的知識を持つ家庭裁判所調査官が調査をすることがあります。

 調査官は、子供に、監護の状況例えば、子供の生活状況や心身の状況を聞いたり、親との関係や親権者についての意向を聞いたりします。また、に対しても、就労状況、経済状況、子供との関わりなどについて聞きます。

 他に、どちらが親権者としてふさわしいか意見を述べたりします。

 子供への調査は、ほとんどの場合、家庭を訪問して、直接面接して行われます。この場合、同居の親の影響を受けないように、親のいないところで面接が行われます。また、必要に応じて、学校や保育園等を訪問して調査をすることもあります。

 調査官は、調査の結果を報告書として裁判所に報告しますが、裁判所は、この報告書をもとに親権者を決めることが多いので、当事者にとってはとても重要です。

 子供が15歳以上の場合、親権者を指定するにあたって、法律上、子供の意見を聞く必要がありますが(人事訴訟法32条4項)、そうでない場合であっても、小学生くらいであれば子供の意見が聞かれることは多いといえます。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、「性格の不一致」が離婚原因のようですが、相談内容を見る限り、特に子供の監護養育の観点からみて、妻を親権者とすることに問題になるような事情はありません。

 そうすると、2人の子供は小学生ということなので、乳幼児というわけではありませんが、やはりまだ小学生ですから、一緒にいる機会の多い母親が親権者となる可能性が高いと言えるでしょう。

 あなたが親権者となるためには、子供の意思や、これまでのあなたの監護の関わり方、現在子供を監護していること、妻の親権者としての不適格性を基礎づける事情などが必要になります。

 

5.今回のポイント

 親権者を決めるにあたって、父母の事情と、子供の事情を総合的に判断して、どちらが親権者となるのが子供の利益になるかで判断します。

 具体的には、父母の事情として、父母の監護の能力や意欲、経済状況、家庭環境、これまでの監護の状況等が考慮され、子供の事情として、子供の年齢、性別、兄弟姉妹の有無、発育状況、子供の意向、環境への適応状況等が考慮されます。

 このような事情をもとに、監護の継続性を尊重すべきとする原則や、乳幼児については母親を優先させるべきとする原則、子供の意思を尊重すべきとする原則、兄弟姉妹は分離すべきでないとする原則、面会交流に寛容な親を優先すべきとする原則等を基準として、最終的に親権者を決定します。

 9割程度は母親が親権者になるといわれていますが、父親が親権者になる場合が全くないというわけではありません。

 父親が親権者となるためには、子供の意思や、これまでの監護の関わり方、現在子供を監護していること、妻の親権者としての不適格性を基礎づける事情などが重要です。

  

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弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円  

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円   

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合          16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円 

  報酬金 0円

  

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