2017.03.31更新

今回は、妻に性交渉を拒否されているセックスレスのご主人から、セックスレスの離婚と慰謝料についてのご相談です。

結論:セックスレスを理由に離婚できる可能性があります。また、100~200万円程度の慰謝料を請求できる可能性があります

詳しくは下記のブログをお読みください。

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目次

1:ご相談者

2:ご相談内容

3:ご相談の回答

3-1.セックスレス(性交渉拒否)で離婚できるの?

3-2.どんな場合に離婚できるの?

3-3.性交渉拒否(セックスレス)ってどうやって証明(立証)すればいいの?

3-4.慰謝料はどれくらいなの?

4:ご相談者へのアドバイス

5:今回のポイント

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1.ご相談者 

 30代の男性(会社員) 

 ①妻は30代(専業主婦)

 ②婚姻期間は2年

 ③子供なし

 

2.ご相談の内容

 妻からセックスを拒否されています。結婚して2年になりますが、これまでに2~3回しかセックスしたことがありません。子供も欲しいのですが、疲れているとか、今はそんな気分じゃないとか言われて、1年半以上セックスに応じてもらえません。  

 妻の性交渉拒否(セックスレス)を理由に離婚できるでしょうか?

 慰謝料はいくらもらえるでしょうか? 

 

3.ご相談への回答

 性交渉の拒否に正当な理由がなく、夫婦関係が回復できないほど破綻している場合には、婚姻を継続しがたい重大な事由にあたり、離婚することができます。

 性交渉の拒否の場合の慰謝料の相場は100~200万円程度です。

 

(1)セックスレス(性交渉拒否)で離婚できるの?

 相手との協議や調停で合意できれば、セックスレス(性交渉拒否)を理由に離婚できるのは当然ですが、離婚を拒否されたときは、訴訟で法律が定める離婚原因が認められなければ離婚することができません。

 法定の離婚原因には、①不貞行為(浮気・不倫)、②悪意の遺棄(同居・扶養の拒否)、③3年以上の生死不明、④強度の精神病による回復不能、⑤婚姻を継続しがたい重大な事由があります。

 ⑤の「婚姻を継続しがたい重大な事由」には、例えば、暴力、暴言、虐待、浪費等がありますが、性交渉の拒否(セックスレス)もこれにあたります。

 ただ、「婚姻を継続しがたい重大な事由」といえるためには、夫婦関係が回復できないほど破綻していることが必要なので、単に性交渉の拒否があったというだけでは足りず、性交渉の拒否によって夫婦関係が回復できないほど破綻していることが必要です。

 また、性交渉の拒否について正当な理由がある場合には、離婚原因にはなりません。

 逆に、性交渉を拒否されている場合に、異常な性交渉を強要したり、暴力をもって性交渉を強要したりすると、そのことが離婚原因となることもあります。 

 

(2)どんな場合に離婚できるの?

 夫婦間で性交拒否、性交不能、性的異常がある場合、一般的に病気や老齢などの理由から性関係を重視しない当事者間の合意があるような特段の事情のない限り、婚姻後長年にわたり性交渉のないことは原則として婚姻を継続しがたい重大な事由にあたるとされています(京都地裁昭和62年5月12日判決参照)。

(ケース1)

 ①事案妻が夫の性交渉の拒否を理由に離婚を請求

 ②結論離婚を認めた

 ③ポイント1年4か月以上性交渉がない、夫がポルノビデオを見て自慰行為をしている

 ④判例:裁判所は、生活費に事欠く状態であるのに、夫が妻に十分説明することなく交際と称して出歩き、また、性交渉は入籍後5カ月以内に2~3回と極端に少なく、平成2年2月以降は全く性交渉がない状態であるのに、夫はポルノビデオを見て自慰行為をしているのであり、正常な夫婦の性生活からは異常であり、婚姻生活は既に破綻し、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして離婚を認めました(福岡高裁平成5年3月18日判決)。

(ケース2)

 ①事案妻が夫の性交渉の拒否を理由に離婚を請求

 ②結論離婚を認めた

 ③ポイント1年4か月以上性交渉がない、4年以上別居している

 ④判例:裁判所は、4年以上別居していることの他、妻の性交渉の拒否について夫には責任が認められないことを理由に離婚を認めました(東京地裁平成15年1月29日判決)。

ちなみに、この事案では、妻は、性交渉を拒否したのは子宮筋腫の手術や流産によって性交渉に不安を覚えたからだと主張しましたが、妻の主張は認められませんでした。

(ケース3)

 ①事案妻が夫の性的不能を理由に離婚を請求

 ②結論離婚を認めた

 ③ポイント結婚してから約3年半、性交渉がなかった

 ④判例:裁判所は、婚姻における性関係の重要性から、新婚旅行中だけでなく、約3年半の同居生活中に性交渉がもたれなかったことは、婚姻を継続しがたい重大な事由に当たるとして離婚を認めました(京都地裁昭和62年5月12日判決)。

 

(3)性交渉拒否(セックスレス)ってどうやって証明(立証)すればいいの?

 夫婦の性生活は、その性質上、なかなか公にしにくい上、夫婦だけの密室で行われるので、性交渉を拒否していることを客観的に証明(立証)するのが難しいといえます。

 実際、裁判でも、自分は性交渉を拒否していないとか、相手から性交渉を要求されていないといった主張がなされるので、そのような場合に証拠がないとこちらの主張を認めてもらえません。

 性交渉拒否(セックスレス)を証明する手段としては、相手の言動を録音するのが最も効果的です。録音によって、相手が性交渉を拒否していることや、拒否する理由等もよく分かるので、裁判官にも十分理解してもらうことができます。

 録音できない場合には、日記やメモで相手の言動を書き留めておくと証拠として利用することができます。ただ、日記やメモは被害者自身が作成するので、録音よりは証拠としての価値は低くなってしまいます。

 

(4)慰謝料はどれくらいなの?

 性交渉拒否(セックスレス)が原因で離婚する場合の慰謝料を決めるにあたっては、特に明確な基準があるわけではありません。というのも、慰謝料は精神的苦痛を慰謝するために支払われ、精神的苦痛は人それぞれによって様々なので、明確な基準を作ることができないからです。

 慰謝料の金額を決めるにあたっては、セックスレスの期間や原因、夫婦の年齢、資産・収入、婚姻期間、結婚生活の状況、子供の有無等が考慮されます。

(ケース1)

 ①事案妻が夫の性的不能を理由に離婚と慰謝料を請求

 ②結論100万円

 ③ポイント結婚して同居してから約2年間性交渉がない、夫の性的不能が婚姻後に精神的な原因で生じた

 ④判例:裁判所は、約2年間の同居期間中、一度も性交渉がないが、子供がなく、性的不能が婚姻後に生じたもので、不能の原因につき夫に責任があるとまではいえないことや、夫が妻を家政婦同然に扱っていたことは認められるが、故意に苦痛を与えようとしたものではなく、夫の性格に起因することを理由に、100万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成16年5月27日判決)。

(ケース2)

 ①事案妻が夫の性交渉の拒否を理由に離婚と慰謝料を請求

 ②結論120万円

 ③ポイント1年4か月以上性交渉がない、夫がポルノビデオを見て自慰行為をしている、夫が生活や性交渉の改善を約束しながら改めなかった

 ④判例:裁判所は、性交渉拒否の他、生活費に事欠く状態なのに夫が交際と称して出歩いていたことや、改善の約束をしたのに態度を改めないこと等から、120万円の慰謝料を認めました(先程の福岡高裁の事案)。

(ケース3)

 ①事案夫が妻の性交渉の拒否を理由に離婚と慰謝料を請求

 ②結論150万円

 ③ポイント性交渉がない期間は5か月だが、妻に侮辱、暴言、暴力があった、前夫とも性交渉の拒否が原因で離婚した

 ④判例:裁判所は、性交渉の拒否は妻の精神的に性交渉に耐えられない性質によるもので、結婚当初から5か月の同居期間中、一度も性交渉がなく、夫が性交渉を求めると、侮辱し、暴言を吐き、暴力を振るい、突然実家に帰ったことを理由に、150万円の慰謝料を認めています(岡山地裁津山支部平成3年3月29日判決)。

(ケース4)

 ①事案妻が夫の性的不能を理由に離婚と慰謝料を請求

 ②結論200万円

 ③ポイント結婚してから約3年半、性交渉がなかった、夫が性的不能を隠して結婚した

 ④判例:裁判所は、婚姻生活における性関係が重要であり、性的不能によって子供をもうけることができないという重要な結果が生じることからすると、性的不能であることを告知しないことは違法として、200万円の慰謝料を認めました(先程の京都地裁の事案)。 

 こうしてみると、性交渉拒否(セックスレス)の慰謝料の相場は100~200万円程度といえます。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、「疲れている」とか「今はそんな気分じゃない」等と言われてセックスを拒否されていることからすると、病気など身体的な問題があるわけではないので、セックスの拒否に正当な理由はないでしょう。また、1年半もセックスがないので、夫婦生活は破綻している可能性は十分にあります。したがって、離婚が認められる可能性は十分にあるでしょう。

 慰謝料については、ケースバイケースなので、何ともいえませんが、100~200万円程度と思われます。

 

5.今回のポイント

 性交渉の拒否(セックスレス)も「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たり、離婚することができます。

 性交渉の拒否(セックスレス)が「婚姻を継続しがたい重大な事由」に当たるためには、性交渉の拒否によって夫婦関係が回復できないほど破綻していることが必要です。 

 具体的には、夫婦間で性交拒否、性交不能、性的異常がある場合、病気や老齢などの理由から性関係を重視しない当事者間の合意があるような特段の事情のない限り、婚姻後長年にわたり性交渉のないことは原則として婚姻を継続しがたい重大な事由にあたるとされています。

 性交渉の拒否について正当な理由がある場合には、離婚原因にはなりません。  

 性交渉拒否(セックスレス)を証明する手段としては、相手の言動を録音するのが最も効果的です。録音できない場合には、日記やメモで相手の言動を書き留めておくと証拠として利用することができます。

 性交渉拒否(セックスレス)による離婚の慰謝料の金額を決めるにあたっては、セックスレスの期間や原因、夫婦の年齢、資産・収入、婚姻期間、結婚生活の状況、子供の有無等が考慮されます。 

 性交渉の拒否(セックスレス)を理由とする慰謝料の相場は100~200万円程度です。

  

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弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円   

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円   

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

2017.03.27更新

今回は、モラハラ(精神的DV)の夫と離婚を考えている奥様から、モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料についてのご相談です。

結論:モラハラによる離婚の慰謝料の相場は、50万~300万円くらいです。

詳しくは下記のブログをお読みください。

モラハラによる離婚の慰謝料でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

  ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

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③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者 

 40代の女性(主婦) 

 ①夫は50代(会社員)

 ②婚姻期間は18年

 ③中学生の長女

 

2.ご相談の内容

 夫は自己中心的で、いつも私のことを見下し、高圧的な態度を取ります。気に入らないことがあると、「誰のおかげで生活できているんだ」「離婚する」「死ね」「お前はそんなことも分からない馬鹿なのか」「生きている価値がない」等と暴言を吐きます。夫が帰ってくると考えるだけで動悸が激しくなり、体調がすぐれません。

 夫のモラハラ(精神的DV)で離婚する場合、慰謝料の相場はどれくらいでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の相場は、50万~300万円程度です。 

 

(1)どんな場合にモラハラ(精神的DV)の慰謝料を請求できるの?

 モラハラ(精神的DV)とは、言葉や態度によって相手の人格を傷つける精神的な暴力をいいます。例えば、暴言、侮辱、無視、ため息、舌打ち、物を壊す、説教、報告を求める等の行為の強制などがあります。

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV法)でも、「配偶者の暴力」の中に、生命または身体に危害を及ぼすような心身に有害な影響を及ぼす言動が含まれ、このような言動から夫婦の一方を保護することが求められています。

 したがって、モラハラ(精神的DV)も当然に離婚原因になり、夫婦関係が回復できないほど破綻している場合には「婚姻を継続しがたい事由」にあたり、離婚することができます。

 その上で、モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料が認められるためには、モラハラ(精神的DV)自体が不法行為に当たり、違法といえることが必要です。

  

(2)モラハラ (精神的DV)の慰謝料の相場はどれくらい?

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の金額については、特に明確な基準があるわけではありません。というのも、慰謝料は精神的苦痛を慰謝するために支払われ、精神的苦痛は人それぞれによって様々で、明確な基準を作ることができないからです。

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の金額を決めるにあたっては、モラハラ(精神的DV)の態様(内容、回数、期間、原因、被害者の落ち度の有無等)、精神疾患等の有無・程度、夫婦の年齢、婚姻期間、資産・収入、子供の有無等、一切の事情が考慮されます。

(ケース1)

 ①事案妻が夫に対して暴言・暴力を理由に慰謝料を請求

 ②結論50万円

 ③ポイント婚姻期間8カ月、子供なし、暴言の程度がそれほど酷くない、暴力の程度が軽い、妻にも一旦の責任がある

 ④判例:裁判所は、夫婦は性格が合わず、互いに行き過ぎた発言を控えることができなかったため、しばしば口論となり、夫の暴力的な行為に対して、妻が暴力的に応じることがあったこと、夫が妻に「離婚する」「気持ち悪い」「自分のビールの方が大切だ。子供なんか知らねえよ。堕ろせ。」と言っていたこと、夫が妻のいる方向にアイロンを投げ、妻を突き飛ばし、妻の物を激しく破壊し、その後、出産費用等の生活費の負担を拒絶したことが離婚の直接かつ決定的な原因であり、妻にも一端の責任はあるが、暴力的な行動の多かった夫に重大な責任があるとして、50万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成18年8月28日判決)。 

(ケース2)

 ①事案妻が夫に対して暴言・暴力を理由に慰謝料を請求

 ②結論100万円

 ③ポイント婚姻期間(1年2か月)や暴言・暴力の期間が短い、子供なし、暴言の程度が酷い、暴力の程度が軽い、妻に落ち度がない

 ④判例:裁判所は、夫が酒を飲んだ上で「結婚しない方がよかった」「離婚する」「俺はお前をもらってやったんだ」等と言って息を吹きかけた、ベッドから落としたり、妻の顔を足で踏んだ、「お前の考えは普通でも一般でもなく異常だ」「馬鹿で能力も学歴もない」「お前の将来はない、しわが増え太っているし、バツイチだしな」「親に叩かれるのは当たり前だ、お前の家は一般的じゃないし、親の考えも常識から外れている」「お前の考えは普通から外れている」等と言ったことを認めた上で、婚姻期間や暴言・暴力の期間が比較的短く、夫婦関係が良好な時期もあったこと、暴力も受傷するほどのものではないことを理由として、100万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成18年1月17日判決)。

(ケース3)

 ①事案妻が夫に対して暴言・暴力を理由に慰謝料を請求

 ②結論200万円

 ③ポイント婚姻期間32年、長期間にわたって暴言・暴力が繰り返された

 ④判例:裁判所は、夫が妻や子供は夫に従い、家庭内の家事、育児、夫の世話は妻が責任を持つべきとの考えの下、「金が足りないのは家計簿もつけず無計画に金を使っているせい」「誰の金で養ってもらっているのか」「自分の言うことを聞けないならこの家から出ていけ」等と怒鳴り、結婚当初から、家族に高圧的に振る舞い、妻から意見されたり、意に沿わないと、大声を出したり、怒鳴って家族に手を挙げるなどして、妻や子供に対等な人格を認めず、家族に明確な上下関係、主従関係を強いてきたものであり、妻が夫の長年の所業により精神的苦痛を被り、婚姻生活が32年余りの長期間に及ぶことを理由として、200万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成17年11月11日判決)。

(ケース4)

 ①事案妻が夫に対して暴力・暴言を理由に慰謝料を請求

 ②結論250万円

 ③ポイント婚姻期間6年、子供(6歳)、暴言の程度が酷い、通院を妨害した、少額の生活費しか渡さない、子供に暴力を振るっている、夫の収入は1000万円

 ④判例:裁判所は、夫が過換気症候群で苦しんでいる妻に「お前は頭がおかしい」「何でそんなに医者ばかりかかるんだ」等と非難して通院を妨害したこと、嘘を言って復縁に応じさせながら、少額の生活費しか渡さず、妻の少額の支出にまで細かく干渉したこと、子供に暴行を加えたり、「金を全部よこせ」といった発言を繰り返したことを理由に、婚姻が破綻した原因は、夫の配慮に欠けた態度や威圧的かつ粗暴な言動にあり、健康保険被保険者証の交付を7カ月近く拒否し、私物の引渡を拒否して嫌がらせをしていることをも理由として、250万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成17年3月8日判決)。

(ケース5)

 ①事案妻が夫の言葉の暴力、精神的虐待等を理由に慰謝料を請求

 ②結論300万円

 ③ポイント婚姻期間3年2カ月、子供なし、暴言が異常かつ執拗、妻がうつ病になった、性交渉の拒否、夫は医師で収入は1600万円

 ④判例:裁判所は、夫が婚姻当初から別居に至るまで正当な理由なく性交渉を拒否し続け、一方的に離婚を宣言し、「ぐずぐずしないで早く離婚しろ」「毒が入っていないか心配。殺されるかも。」「悪、妻、電磁波にやられた」「お前は痴呆だ」「妻を燃やす日だ。早く燃やさないとなあ。」「お前を人格障害の患者としてしか見ない」等と異常な発言を執拗な繰り返した結果、妻は仮面うつ病の診断を受け、別居後も妻に責任があるかのような虚偽の事実を作出して訴訟を提起した上、妻に侮辱的な主張、供述を繰り返し、「同居をすれば新聞沙汰になるようなことが起きるかもしれない」等と脅迫的な発言をしたことを理由として、マンションの管理費を妻が払っていることや夫が別居後の婚姻費用を負担していないことを考慮して、300万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成19年3月28日判決)。

 このように、モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の相場は、50万~300万円程度です。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、夫が高圧的な態度を取り、気に入らないことがあると、「誰のおかげで生活できているんだ」「離婚する」「死ね」「お前はそんなことも分からない馬鹿なのか」「生きている価値がない」等と暴言を吐くということなので、回数や期間等によっては、十分違法なモラハラ(精神的DV)といえる可能性があります。

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の金額はケースバイケースなので、何とも言えません。夫婦の年齢が40~50歳で、婚姻期間が18年と長く、まだ中学生の子供もいることはプラスの要素ですが、モラハラ(精神的DV)の回数や期間、原因、精神疾患等の有無・程度によって慰謝料の金額も変わります。

 なお、夫の暴言は、録音等で保存しておくとよいでしょう。また、体調がすぐれないということであれば、一度医師の診断を受け、うつ病等の診断がなされた場合には診断書を取得しておくとよいでしょう。

  

5.今回のポイント

 モラハラ(精神的DV)とは、言葉や態度によって相手の人格を傷つける精神的な暴力をいい、暴言、侮辱、無視、ため息、舌打ち、物を壊す、説教や報告を求める等の行為の強制などがあります。

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料が認められるためには、モラハラ(精神的DV)自体が不法行為に当たり、違法といえることが必要です。

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の金額を決めるにあたっては、モラハラ(精神的DV)の態様(内容、回数、期間、原因、被害者の落ち度の有無等)、精神疾患等の有無・程度、夫婦の年齢、婚姻期間、資産・収入、子供の有無等、一切の事情が考慮されます。

  モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の相場は、50万~300万円程度といえます。

 

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弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円   

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円   

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

2017.03.20更新

今回は、モラハラ(精神的DV)の妻に離婚を拒否されているご主人から、モラハラ(精神的DV)の妻と離婚する方法についてのご相談です。

結論:離婚を拒否されている場合は、調停をした後、訴訟によって離婚するしかありません。

詳しくは下記のブログをお読みください。

モラハラ(精神的DV)による離婚でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者 

 50代の男性(公務員) 

 ①妻は50代(会社員)

 ②婚姻期間は21年

 ③高校生の長女

 

2.ご相談の内容

 妻は自己中心的で、長年、私のことを無視し、溜息や舌打ちをする一方、何か気にいらないことがあると怒り狂って「稼ぎが悪い」「能力がない」「馬鹿だ」「使えない」「誤れ」等と罵り、人を馬鹿にします。何年も妻からモラハラ(精神的DV)を受けているせいか、妻といるだけで動悸が激しくなり、体調がすぐれません。

 妻には離婚したいと言っているのですが、嫌がらせで離婚を拒否されています。どうしたら離婚できるでしょうか?   

 

3.ご相談への回答

 離婚を拒否されている場合、調停をした上で、訴訟によって離婚するほかありません。

 訴訟の場合、離婚原因が認められないと離婚できないので、モラハラ(精神的DV)によって夫婦関係が回復できないほど破綻していることを証明(立証)する必要がありますが、まずは別居することが必要です。 

 

(1)離婚を拒否されたとき、どうしたら離婚できるの?

 離婚の多くは、夫婦の話し合いによる合意によって成立しますが(協議離婚)、相手がどうしても離婚に応じない場合には、裁判によって離婚するしかありません。

 裁判で離婚する方法としては、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の3つがあります。

 調停離婚は、調停での合意によって離婚が成立する方法です。

 審判離婚は、家庭裁判所が相当と認めたときに、当事者の衡平を考慮し、一切の事情を考慮して審判することによって離婚が成立する方法です。ただ、審判離婚となることはあまりありません。

 裁判離婚は、訴訟で離婚原因が認められた場合に離婚が成立する方法です。

 離婚について訴訟を提起するためには、その前に離婚調停をする必要があります(調停前置主義)。したがって、離婚を拒否されたときは、家庭裁判所に離婚の調停の申立てをすることになります。

 

(2)どんな場合でも離婚できるの?

 調停で離婚しようとする場合(調停離婚)、夫婦間で離婚の合意ができればよいので、法律が定める離婚原因がある必要はありません。

 これに対して、訴訟を提起して離婚しようとする場合(裁判離婚)、法律が定める離婚原因が必要です。

 法定の離婚原因には、①不貞行為(浮気・不倫)、②悪意の遺棄(同居・扶養の拒否)、③3年以上の生死不明、④強度の精神病による回復不能、⑤婚姻を継続しがたい重大な事由があります。

 そのため、調停で離婚の合意ができなければ、法定の離婚原因がないと離婚できないことになります。

  

(3)モラハラ(精神的DV)が原因で離婚できるの?

 モラハラ(精神的DV)とは、言葉や態度によって相手の人格を傷つける精神的な暴力をいいます。例えば、暴言、侮辱、無視、ため息、舌打ち、物を壊す、説教や報告を求める等の行為の強制などがあります。 

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV法)でも、「配偶者の暴力」の中に、生命または身体に危害を及ぼすような心身に有害な影響を及ぼす言動が含まれ、このような言動から夫婦の一方を保護することが求められています。

 したがって、モラハラ(精神的DV)も当然に離婚原因になり、夫婦関係が回復できないほど破綻している場合には、「婚姻を継続しがたい事由」にあたり、離婚することができます。

 夫婦関係が回復できないほど破綻しているかどうかは、モラハラ(精神的DV)の態様(内容、回数、期間、原因、被害者の落ち度の有無、精神的疾患の有無等)、相手の離婚の意思、夫婦の年齢、婚姻期間、資産・収入、子供の有無等、一切の事情を考慮して判断されます。

(ケース1)

 ①事案妻が夫に対して、暴言・暴力を理由に離婚を請求

 ②結論離婚を認めた

 ③ポイント婚姻期間20年3か月、婚姻後からモラハラが繰り返され、執拗に責められた、別居前数年を除いて暴力を振るわれていた、PTSDになった

 ④判例:裁判所は、夫が持病のある妻に対して「さっさと心臓移植でもして来い。」「なぜ入院した。人の不便も考えろ。」「いつまでもぐずぐずしやがって。」等と暴言を吐いたこと、頭や顔を殴ったり、蹴ったりしたこと、一晩中廊下に座らさせて文句を言い続けたこと、午前3時に食事を作ることを強要し、テーブルを叩いたり、床を蹴ったりしたこと、妻がPTSDの診断を受けたこと等を理由に、長年にわたる身体的精神的虐待がなされ、別居が継続し、もはや修復の余地がなく、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして離婚を認めました(東京地裁平成17年3月15日判決)。

(ケース2)

 ①事案妻が夫の暴言・暴力・モラハラを理由に離婚を請求

 ②結論離婚を認めなかった

 ③ポイント婚姻期間10年、子供9歳、モラハラが存在しないか、その程度が低い、妻にも落ち度がある、別居期間が3年5か月しかない

 ④判例:裁判所は、妻が婚姻関係の破綻原因と主張する事実は、存在しないか、存在するとしても、性格・考え方の違いや感情・言葉の行き違いに端を発するもので、夫のみが責を負うというものではないこと、妻は一人で決める傾向があり、感情的になって夫の意見を受け入れないこと、夫も口論の際に大声を出すなど配慮を欠いた言動があったが、反省して修復を強く望み、子供との関係が良好に保たれていることを理由に、未だ修復の可能性がないとはいえず、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとまではいえないとして、離婚を認めませんでした(東京家裁立川支部平成27年1月20日判決)。

 このように、モラハラ(精神的DV)と言っても程度は様々で、単にモラハラ(精神的DV)があっただけでは足りません。モラハラ(精神的DV)を理由に離婚するためには、夫婦関係が回復できないほど破綻していることが必要です。

 

(4)モラハラ(精神的DV)ってどうやって証明(立証)すればいいの?

 身体への暴力であれば、怪我という目に見える結果が発生するので分かりやすいですが、モラハラ(精神的DV)の場合、必ずしも目に見えるわけではないので、客観的に証明(立証)するのが難しいといえます。

 モラハラ(精神的DV)を証明する手段としては、①相手の言動を録音するのが最も効果的です。録音によって、相手が言っている内容だけでなく、怒鳴っている等、どのような口調で話しているのかがよく分かるので、裁判官にも十分理解してもらうことができます。

 また、モラハラ(精神的DV)がメールやLINE等で行われている場合には、その内容自体がモラハラ(精神的DV)に当たるので、②メールやLINEを保存しておくとよいでしょう。

 録音できない場合には、③日記やメモで相手の言動を書き留めておくと証拠として利用することができます。ただ、日記やメモは被害者自身が作成するので、録音やメール・LINEよりは証拠としての価値は低くなってしまいます。

 他にも、モラハラ(精神的DV)によってうつ病や不安障害等といった症状が発生したときは、④医師の診察を受けて診断書を書いてもらうのもよいでしょう。

 

(5)離婚が認められなかったらどうすればいいの?

 離婚するにあたって訴訟で勝てるだけの証拠がない場合や、証拠があったとしても破綻しているとまでは言えないような場合には、離婚原因がないので訴訟では離婚できません。

 そのような場合にどうしても離婚したいということであれば、離婚原因を必要とせずに離婚できる調停離婚を目指すことになります。

 ただ、離婚の合意ができなければ、調停離婚できないので、その点が難しいところです。

 それでも、離婚したいというのであれば、時間はかかりますが、長期間別居した後、改めて離婚を請求することになります。 

   

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、離婚を拒否されているということなので、調停で離婚するのは難しそうです。

 訴訟になった場合、奥様から無視、溜息、舌打ち、「稼ぎが悪い」等の暴言を受けているということなので、十分モラハラ(精神的DV)といえます。これによって夫婦生活が回復できないほど破綻しているといえれば、「婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたり、離婚することができます。

 後は、モラハラ(精神的DV)を証明(立証)するため、奥様の言動を録音するなどして証拠を確保し、別居しましょう。

 

5.今回のポイント

 相手が話し合いで離婚に応じない場合には、まず、家庭裁判所に離婚の調停の申立てをする必要がありますが(調停前置主義)、調停で離婚の合意ができない場合には、離婚の訴訟を提起することになります(裁判離婚)。 

 訴訟を提起して離婚しようとする場合、法律が定める離婚原因がなければ離婚することができません。

 モラハラ(精神的DV)も、夫婦関係が回復できないほど破綻している場合には、「婚姻を継続しがたい事由」にあたり、離婚することができます。 

 夫婦関係が回復できないほど破綻しているかどうかは、モラハラ(精神的DV)の態様(内容、回数、期間、原因、被害者の落ち度の有無、精神的疾患の有無等)、相手の離婚の意思、夫婦の年齢、婚姻期間、資産・収入、子供の有無等、一切の事情を考慮して判断されます。

 モラハラ(精神的DV)を証明する手段としては、①相手の言動を録音するのが最も効果的です。他にも、②メールやLINEを保存したり、③日記やメモで相手の言動を書き留めたり、④医師の診察を受けて診断書を書いてもらうのもよいでしょう。

 離婚するにあたって訴訟で勝てるだけの証拠がない場合や、証拠があったとしても破綻しているとまでは言えないような場合でも、どうしても離婚したいのであれば、長期間別居した後、改めて離婚を請求することになります。

 

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弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円   

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円   

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

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