2017.03.27更新

今回は、モラハラ(精神的DV)の夫と離婚を考えている奥様から、モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料についてのご相談です。

結論:モラハラによる離婚の慰謝料の相場は、50万~300万円くらいです。

詳しくは下記のブログをお読みください。

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1.ご相談者 

 40代の女性(主婦) 

 ①夫は50代(会社員)

 ②婚姻期間は18年

 ③中学生の長女

 

2.ご相談の内容

 夫は自己中心的で、いつも私のことを見下し、高圧的な態度を取ります。気に入らないことがあると、「誰のおかげで生活できているんだ」「離婚する」「死ね」「お前はそんなことも分からない馬鹿なのか」「生きている価値がない」等と暴言を吐きます。夫が帰ってくると考えるだけで動悸が激しくなり、体調がすぐれません。

 夫のモラハラ(精神的DV)で離婚する場合、慰謝料の相場はどれくらいでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の相場は、50万~300万円程度です。 

 

(1)どんな場合にモラハラ(精神的DV)の慰謝料を請求できるの?

 モラハラ(精神的DV)とは、言葉や態度によって相手の人格を傷つける精神的な暴力をいいます。例えば、暴言、侮辱、無視、ため息、舌打ち、物を壊す、説教、報告を求める等の行為の強制などがあります。

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV法)でも、「配偶者の暴力」の中に、生命または身体に危害を及ぼすような心身に有害な影響を及ぼす言動が含まれ、このような言動から夫婦の一方を保護することが求められています。

 したがって、モラハラ(精神的DV)も当然に離婚原因になり、夫婦関係が回復できないほど破綻している場合には「婚姻を継続しがたい事由」にあたり、離婚することができます。

 その上で、モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料が認められるためには、モラハラ(精神的DV)自体が不法行為に当たり、違法といえることが必要です。

  

(2)モラハラ (精神的DV)の慰謝料の相場はどれくらい?

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の金額については、特に明確な基準があるわけではありません。というのも、慰謝料は精神的苦痛を慰謝するために支払われ、精神的苦痛は人それぞれによって様々で、明確な基準を作ることができないからです。

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の金額を決めるにあたっては、モラハラ(精神的DV)の態様(内容、回数、期間、原因、被害者の落ち度の有無等)、精神疾患等の有無・程度、夫婦の年齢、婚姻期間、資産・収入、子供の有無等、一切の事情が考慮されます。

(ケース1)

 ①事案妻が夫に対して暴言・暴力を理由に慰謝料を請求

 ②結論50万円

 ③ポイント婚姻期間8カ月、子供なし、暴言の程度がそれほど酷くない、暴力の程度が軽い、妻にも一旦の責任がある

 ④判例:裁判所は、夫婦は性格が合わず、互いに行き過ぎた発言を控えることができなかったため、しばしば口論となり、夫の暴力的な行為に対して、妻が暴力的に応じることがあったこと、夫が妻に「離婚する」「気持ち悪い」「自分のビールの方が大切だ。子供なんか知らねえよ。堕ろせ。」と言っていたこと、夫が妻のいる方向にアイロンを投げ、妻を突き飛ばし、妻の物を激しく破壊し、その後、出産費用等の生活費の負担を拒絶したことが離婚の直接かつ決定的な原因であり、妻にも一端の責任はあるが、暴力的な行動の多かった夫に重大な責任があるとして、50万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成18年8月28日判決)。 

(ケース2)

 ①事案妻が夫に対して暴言・暴力を理由に慰謝料を請求

 ②結論100万円

 ③ポイント婚姻期間(1年2か月)や暴言・暴力の期間が短い、子供なし、暴言の程度が酷い、暴力の程度が軽い、妻に落ち度がない

 ④判例:裁判所は、夫が酒を飲んだ上で「結婚しない方がよかった」「離婚する」「俺はお前をもらってやったんだ」等と言って息を吹きかけた、ベッドから落としたり、妻の顔を足で踏んだ、「お前の考えは普通でも一般でもなく異常だ」「馬鹿で能力も学歴もない」「お前の将来はない、しわが増え太っているし、バツイチだしな」「親に叩かれるのは当たり前だ、お前の家は一般的じゃないし、親の考えも常識から外れている」「お前の考えは普通から外れている」等と言ったことを認めた上で、婚姻期間や暴言・暴力の期間が比較的短く、夫婦関係が良好な時期もあったこと、暴力も受傷するほどのものではないことを理由として、100万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成18年1月17日判決)。

(ケース3)

 ①事案妻が夫に対して暴言・暴力を理由に慰謝料を請求

 ②結論200万円

 ③ポイント婚姻期間32年、長期間にわたって暴言・暴力が繰り返された

 ④判例:裁判所は、夫が妻や子供は夫に従い、家庭内の家事、育児、夫の世話は妻が責任を持つべきとの考えの下、「金が足りないのは家計簿もつけず無計画に金を使っているせい」「誰の金で養ってもらっているのか」「自分の言うことを聞けないならこの家から出ていけ」等と怒鳴り、結婚当初から、家族に高圧的に振る舞い、妻から意見されたり、意に沿わないと、大声を出したり、怒鳴って家族に手を挙げるなどして、妻や子供に対等な人格を認めず、家族に明確な上下関係、主従関係を強いてきたものであり、妻が夫の長年の所業により精神的苦痛を被り、婚姻生活が32年余りの長期間に及ぶことを理由として、200万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成17年11月11日判決)。

(ケース4)

 ①事案妻が夫に対して暴力・暴言を理由に慰謝料を請求

 ②結論250万円

 ③ポイント婚姻期間6年、子供(6歳)、暴言の程度が酷い、通院を妨害した、少額の生活費しか渡さない、子供に暴力を振るっている、夫の収入は1000万円

 ④判例:裁判所は、夫が過換気症候群で苦しんでいる妻に「お前は頭がおかしい」「何でそんなに医者ばかりかかるんだ」等と非難して通院を妨害したこと、嘘を言って復縁に応じさせながら、少額の生活費しか渡さず、妻の少額の支出にまで細かく干渉したこと、子供に暴行を加えたり、「金を全部よこせ」といった発言を繰り返したことを理由に、婚姻が破綻した原因は、夫の配慮に欠けた態度や威圧的かつ粗暴な言動にあり、健康保険被保険者証の交付を7カ月近く拒否し、私物の引渡を拒否して嫌がらせをしていることをも理由として、250万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成17年3月8日判決)。

(ケース5)

 ①事案妻が夫の言葉の暴力、精神的虐待等を理由に慰謝料を請求

 ②結論300万円

 ③ポイント婚姻期間3年2カ月、子供なし、暴言が異常かつ執拗、妻がうつ病になった、性交渉の拒否、夫は医師で収入は1600万円

 ④判例:裁判所は、夫が婚姻当初から別居に至るまで正当な理由なく性交渉を拒否し続け、一方的に離婚を宣言し、「ぐずぐずしないで早く離婚しろ」「毒が入っていないか心配。殺されるかも。」「悪、妻、電磁波にやられた」「お前は痴呆だ」「妻を燃やす日だ。早く燃やさないとなあ。」「お前を人格障害の患者としてしか見ない」等と異常な発言を執拗な繰り返した結果、妻は仮面うつ病の診断を受け、別居後も妻に責任があるかのような虚偽の事実を作出して訴訟を提起した上、妻に侮辱的な主張、供述を繰り返し、「同居をすれば新聞沙汰になるようなことが起きるかもしれない」等と脅迫的な発言をしたことを理由として、マンションの管理費を妻が払っていることや夫が別居後の婚姻費用を負担していないことを考慮して、300万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成19年3月28日判決)。

 このように、モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の相場は、50万~300万円程度です。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、夫が高圧的な態度を取り、気に入らないことがあると、「誰のおかげで生活できているんだ」「離婚する」「死ね」「お前はそんなことも分からない馬鹿なのか」「生きている価値がない」等と暴言を吐くということなので、回数や期間等によっては、十分違法なモラハラ(精神的DV)といえる可能性があります。

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の金額はケースバイケースなので、何とも言えません。夫婦の年齢が40~50歳で、婚姻期間が18年と長く、まだ中学生の子供もいることはプラスの要素ですが、モラハラ(精神的DV)の回数や期間、原因、精神疾患等の有無・程度によって慰謝料の金額も変わります。

 なお、夫の暴言は、録音等で保存しておくとよいでしょう。また、体調がすぐれないということであれば、一度医師の診断を受け、うつ病等の診断がなされた場合には診断書を取得しておくとよいでしょう。

  

5.今回のポイント

 モラハラ(精神的DV)とは、言葉や態度によって相手の人格を傷つける精神的な暴力をいい、暴言、侮辱、無視、ため息、舌打ち、物を壊す、説教や報告を求める等の行為の強制などがあります。

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料が認められるためには、モラハラ(精神的DV)自体が不法行為に当たり、違法といえることが必要です。

 モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の金額を決めるにあたっては、モラハラ(精神的DV)の態様(内容、回数、期間、原因、被害者の落ち度の有無等)、精神疾患等の有無・程度、夫婦の年齢、婚姻期間、資産・収入、子供の有無等、一切の事情が考慮されます。

  モラハラ(精神的DV)による離婚の慰謝料の相場は、50万~300万円程度といえます。

 

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弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 20万円

  報酬金 20万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 30万円   

  報酬金 30万円+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金

  着手金 10万円   

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

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