2017.03.20更新

今回は、モラハラ(精神的DV)の妻に離婚を拒否されているご主人から、モラハラ(精神的DV)の妻と離婚する方法についてのご相談です。

結論:離婚を拒否されている場合は、調停をした後、訴訟によって離婚するしかありません。

詳しくは下記のブログをお読みください。

モラハラ(精神的DV)による離婚でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者 

 50代の男性(公務員) 

 ①妻は50代(会社員)

 ②婚姻期間は21年

 ③高校生の長女

 

2.ご相談の内容

 妻は自己中心的で、長年、私のことを無視し、溜息や舌打ちをする一方、何か気にいらないことがあると怒り狂って「稼ぎが悪い」「能力がない」「馬鹿だ」「使えない」「誤れ」等と罵り、人を馬鹿にします。何年も妻からモラハラ(精神的DV)を受けているせいか、妻といるだけで動悸が激しくなり、体調がすぐれません。

 妻には離婚したいと言っているのですが、嫌がらせで離婚を拒否されています。どうしたら離婚できるでしょうか?   

 

3.ご相談への回答

 離婚を拒否されている場合、調停をした上で、訴訟によって離婚するほかありません。

 訴訟の場合、離婚原因が認められないと離婚できないので、モラハラ(精神的DV)によって夫婦関係が回復できないほど破綻していることを証明(立証)する必要がありますが、まずは別居することが必要です。 

 

(1)離婚を拒否されたとき、どうしたら離婚できるの?

 離婚の多くは、夫婦の話し合いによる合意によって成立しますが(協議離婚)、相手がどうしても離婚に応じない場合には、裁判によって離婚するしかありません。

 裁判で離婚する方法としては、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の3つがあります。

 調停離婚は、調停での合意によって離婚が成立する方法です。

 審判離婚は、家庭裁判所が相当と認めたときに、当事者の衡平を考慮し、一切の事情を考慮して審判することによって離婚が成立する方法です。ただ、審判離婚となることはあまりありません。

 裁判離婚は、訴訟で離婚原因が認められた場合に離婚が成立する方法です。

 離婚について訴訟を提起するためには、その前に離婚調停をする必要があります(調停前置主義)。したがって、離婚を拒否されたときは、家庭裁判所に離婚の調停の申立てをすることになります。

 

(2)どんな場合でも離婚できるの?

 調停で離婚しようとする場合(調停離婚)、夫婦間で離婚の合意ができればよいので、法律が定める離婚原因がある必要はありません。

 これに対して、訴訟を提起して離婚しようとする場合(裁判離婚)、法律が定める離婚原因が必要です。

 法定の離婚原因には、①不貞行為(浮気・不倫)、②悪意の遺棄(同居・扶養の拒否)、③3年以上の生死不明、④強度の精神病による回復不能、⑤婚姻を継続しがたい重大な事由があります。

 そのため、調停で離婚の合意ができなければ、法定の離婚原因がないと離婚できないことになります。

  

(3)モラハラ(精神的DV)が原因で離婚できるの?

 モラハラ(精神的DV)とは、言葉や態度によって相手の人格を傷つける精神的な暴力をいいます。例えば、暴言、侮辱、無視、ため息、舌打ち、物を壊す、説教や報告を求める等の行為の強制などがあります。 

 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV法)でも、「配偶者の暴力」の中に、生命または身体に危害を及ぼすような心身に有害な影響を及ぼす言動が含まれ、このような言動から夫婦の一方を保護することが求められています。

 したがって、モラハラ(精神的DV)も当然に離婚原因になり、夫婦関係が回復できないほど破綻している場合には、「婚姻を継続しがたい事由」にあたり、離婚することができます。

 夫婦関係が回復できないほど破綻しているかどうかは、モラハラ(精神的DV)の態様(内容、回数、期間、原因、被害者の落ち度の有無、精神的疾患の有無等)、相手の離婚の意思、夫婦の年齢、婚姻期間、資産・収入、子供の有無等、一切の事情を考慮して判断されます。

(ケース1)

 ①事案妻が夫に対して、暴言・暴力を理由に離婚を請求

 ②結論離婚を認めた

 ③ポイント婚姻期間20年3か月、婚姻後からモラハラが繰り返され、執拗に責められた、別居前数年を除いて暴力を振るわれていた、PTSDになった

 ④判例:裁判所は、夫が持病のある妻に対して「さっさと心臓移植でもして来い。」「なぜ入院した。人の不便も考えろ。」「いつまでもぐずぐずしやがって。」等と暴言を吐いたこと、頭や顔を殴ったり、蹴ったりしたこと、一晩中廊下に座らさせて文句を言い続けたこと、午前3時に食事を作ることを強要し、テーブルを叩いたり、床を蹴ったりしたこと、妻がPTSDの診断を受けたこと等を理由に、長年にわたる身体的精神的虐待がなされ、別居が継続し、もはや修復の余地がなく、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとして離婚を認めました(東京地裁平成17年3月15日判決)。

(ケース2)

 ①事案妻が夫の暴言・暴力・モラハラを理由に離婚を請求

 ②結論離婚を認めなかった

 ③ポイント婚姻期間10年、子供9歳、モラハラが存在しないか、その程度が低い、妻にも落ち度がある、別居期間が3年5か月しかない

 ④判例:裁判所は、妻が婚姻関係の破綻原因と主張する事実は、存在しないか、存在するとしても、性格・考え方の違いや感情・言葉の行き違いに端を発するもので、夫のみが責を負うというものではないこと、妻は一人で決める傾向があり、感情的になって夫の意見を受け入れないこと、夫も口論の際に大声を出すなど配慮を欠いた言動があったが、反省して修復を強く望み、子供との関係が良好に保たれていることを理由に、未だ修復の可能性がないとはいえず、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとまではいえないとして、離婚を認めませんでした(東京家裁立川支部平成27年1月20日判決)。

 このように、モラハラ(精神的DV)と言っても程度は様々で、単にモラハラ(精神的DV)があっただけでは足りません。モラハラ(精神的DV)を理由に離婚するためには、夫婦関係が回復できないほど破綻していることが必要です。

 

(4)モラハラ(精神的DV)ってどうやって証明(立証)すればいいの?

 身体への暴力であれば、怪我という目に見える結果が発生するので分かりやすいですが、モラハラ(精神的DV)の場合、必ずしも目に見えるわけではないので、客観的に証明(立証)するのが難しいといえます。

 モラハラ(精神的DV)を証明する手段としては、①相手の言動を録音するのが最も効果的です。録音によって、相手が言っている内容だけでなく、怒鳴っている等、どのような口調で話しているのかがよく分かるので、裁判官にも十分理解してもらうことができます。

 また、モラハラ(精神的DV)がメールやLINE等で行われている場合には、その内容自体がモラハラ(精神的DV)に当たるので、②メールやLINEを保存しておくとよいでしょう。

 録音できない場合には、③日記やメモで相手の言動を書き留めておくと証拠として利用することができます。ただ、日記やメモは被害者自身が作成するので、録音やメール・LINEよりは証拠としての価値は低くなってしまいます。

 他にも、モラハラ(精神的DV)によってうつ病や不安障害等といった症状が発生したときは、④医師の診察を受けて診断書を書いてもらうのもよいでしょう。

 

(5)離婚が認められなかったらどうすればいいの?

 離婚するにあたって訴訟で勝てるだけの証拠がない場合や、証拠があったとしても破綻しているとまでは言えないような場合には、離婚原因がないので訴訟では離婚できません。

 そのような場合にどうしても離婚したいということであれば、離婚原因を必要とせずに離婚できる調停離婚を目指すことになります。

 ただ、離婚の合意ができなければ、調停離婚できないので、その点が難しいところです。

 それでも、離婚したいというのであれば、時間はかかりますが、長期間別居した後、改めて離婚を請求することになります。 

   

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、離婚を拒否されているということなので、調停で離婚するのは難しそうです。

 訴訟になった場合、奥様から無視、溜息、舌打ち、「稼ぎが悪い」等の暴言を受けているということなので、十分モラハラ(精神的DV)といえます。これによって夫婦生活が回復できないほど破綻しているといえれば、「婚姻を継続しがたい重大な事由」にあたり、離婚することができます。

 後は、モラハラ(精神的DV)を証明(立証)するため、奥様の言動を録音するなどして証拠を確保し、別居しましょう。

 

5.今回のポイント

 相手が話し合いで離婚に応じない場合には、まず、家庭裁判所に離婚の調停の申立てをする必要がありますが(調停前置主義)、調停で離婚の合意ができない場合には、離婚の訴訟を提起することになります(裁判離婚)。 

 訴訟を提起して離婚しようとする場合、法律が定める離婚原因がなければ離婚することができません。

 モラハラ(精神的DV)も、夫婦関係が回復できないほど破綻している場合には、「婚姻を継続しがたい事由」にあたり、離婚することができます。 

 夫婦関係が回復できないほど破綻しているかどうかは、モラハラ(精神的DV)の態様(内容、回数、期間、原因、被害者の落ち度の有無、精神的疾患の有無等)、相手の離婚の意思、夫婦の年齢、婚姻期間、資産・収入、子供の有無等、一切の事情を考慮して判断されます。

 モラハラ(精神的DV)を証明する手段としては、①相手の言動を録音するのが最も効果的です。他にも、②メールやLINEを保存したり、③日記やメモで相手の言動を書き留めたり、④医師の診察を受けて診断書を書いてもらうのもよいでしょう。

 離婚するにあたって訴訟で勝てるだけの証拠がない場合や、証拠があったとしても破綻しているとまでは言えないような場合でも、どうしても離婚したいのであれば、長期間別居した後、改めて離婚を請求することになります。

 

6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ

 ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。

 当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

 まずは、安心してお気軽にご相談ください。  

>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

  

7.弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 30万円(さらに10%OFF)

  報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 40万円(さらに10%OFF)   

  報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)

  着手金 15万円   

  報酬金 0円

 

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

2017.02.26更新

今回は、離婚を考えている奥様から、離婚した後の自分と子供の戸籍と姓(氏)についてのご相談です。

結論:旧姓に戻す場合には手続は必要ありませんが、結婚していたときの姓を名乗る場合には手続が必要です。子供の姓を変更する場合には、家庭裁判所の許可が必要で、その後に自分と同じ戸籍に入れます。

詳しくは下記のブログをお読みください。

離婚でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

  ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者 
 
 40代の女性 

 ①夫は40代

 ②婚姻期間は16年

 ③中学生の長女


2.ご相談の内容

 夫の暴言が酷く、離婚を考えています。子供の親権者は私がなろうと思っています。現在、夫の姓を名乗っていますが、旧姓に変えたいと思っています。

 離婚した後、私の戸籍や姓を変更するにはどうすればよいでしょうか?また、子供の戸籍や姓はどうなるのでしょうか? 

 

3.ご相談への回答

 離婚によって旧姓に戻す場合、旧姓に戻すために特に手続は必要なく、戸籍は、結婚前の戸籍に戻るか、新しく戸籍を作るかを選択します。

 結婚していたときの姓を名乗る場合には、離婚した日(離婚届が受理された日)から3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届出」をし、新しく戸籍を作ります。

 子供の姓と戸籍は変わりません。子供の姓を変える場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」をして許可を得る必要があります。

 子供を同じ戸籍に入れようとする場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」をして家庭裁判所の許可を得る必要があります。結婚していたときの姓を名乗る場合であっても、子供の氏の変更をする必要があります。

 

(1)離婚すると私の姓はどうなるの?

 結婚すると夫婦はどちらかの姓(氏)を名乗ることになりますが、夫の姓を名乗ることが多いでしょう。 

 離婚すると、姓を変更した方(ほとんどは妻)は当然に結婚前の旧姓に戻ります(復氏)したがって、旧姓に戻ることを希望するのであれば、特に手続は必要ありません。

 ただ、ある程度結婚生活が続いていると、結婚中の姓が浸透している場合もあるので、結婚していたときの姓を名乗りたいと考える人もいるでしょう。そのような場合には、離婚した日(離婚届が受理された日)から3か月以内「離婚の際に称していた氏を称する届出」をすることによって結婚していたときに名乗っていた姓を名乗ることができます。

 うっかり3か月以内に届出をしなかった場合でも、家庭裁判所に「氏の変更許可の申立て」をして家庭裁判所の許可を得れば(戸籍法107条)、結婚していたときの姓を名乗ることができます。「氏の変更」が認められるためには、「やむを得ない事由」が必要ですが、離婚に伴って氏を変更する場合には、比較的氏の変更が認められやすいといえます。

  

(2)離婚すると私の戸籍はどうなるの?

  離婚によって旧姓に戻る場合には、原則として結婚前の戸籍に戻ります(復籍)が、新たに戸籍を作ることもできます。結婚前の旧姓に戻る場合には、離婚届にの婚姻前の氏にもどる者の本籍」の欄に、「元の戸籍に戻る」、「新しい戸籍を作る」の欄があるので、いずれかにチェックすることになります。

 これに対して、結婚していたときの姓を名乗る場合には、新たに戸籍を作ることになります。

 

(3)離婚すると子供の姓はどうなるの?

 親が離婚によって旧姓に戻っても、子供の姓は変わりません。

 子供の姓を親の旧姓に変更したい場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」をして家庭裁判所の許可を得る必要があります。許可を得た後、役所に届けることによって親の旧姓に変更することができます。

 

(4)離婚すると子供の戸籍はどうなるの?

 親が離婚によって旧姓に戻る場合結婚前の戸籍に戻るか、新しく作った戸籍に入ることになりますが、子供の戸籍はそのままです。子供を母の戸籍に入れようとしても、子供の姓は変わらないので、異なる姓の子供を同じ戸籍に入れることができません。そのため、子供を同じ戸籍に入れようとする場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」をして家庭裁判所の許可を得る必要があります。

 また、結婚していたときの姓を名乗る場合であっても、子供の戸籍はそのままです。この場合、母の姓と子供の姓は形式的には同一なのですが、母の姓は旧姓に復氏した後、新たに結婚していた姓になったことになるので、法的には子供とは別の姓になることになります。したがって、この場合にも、家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」をして家庭裁判所の許可を得る必要があります。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、夫の姓を名乗っているということなので、離婚すると旧姓に戻ります。旧姓を使いたいということなので、特に手続は必要ありません。旧姓に戻る場合には、結婚前の戸籍に戻しても、新たに戸籍を作ってもよいので、どちらを選択しても構いません。これからお子さんと一緒に2人で生活するのであれば、新しい戸籍を作るのがよいでしょう。

 お子さんについては、ご相談者が旧姓に戻したとしても、姓が変わるわけではありません。ご相談者が親権者になるのであれば、一緒の姓がよいかもしれませんが、お子さんの生活もあるのでよく相談してください。お子さんの姓を変えるのであれば、家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」をして許可を得る必要があります。また、ご相談者が離婚によって戸籍を移っても、お子さんは父の戸籍に入ったままです。ご相談者の戸籍に入れるためには、やはり家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」をして許可を得る必要があります。

 

5.今回のポイント

 離婚すると、姓を変更した方は当然に結婚前の旧姓に戻るので(復氏)、旧姓に戻ることを希望する場合には、特に手続は必要ありません。これに対して、結婚していたときの姓を名乗る場合には、離婚した日(離婚届が受理された日)から3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届出」をする必要があります。

 離婚によって旧姓に戻る場合には、本人は、結婚前の戸籍に戻るか(復籍)、新たに戸籍を作るかを選択します。これに対して、結婚していたときの姓を名乗る場合には、新たに戸籍を作ることになります。

 親が離婚によって旧姓に戻る場合であっても、子供の姓は変わりません。子供の姓を親の旧姓に変更したい場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」をして許可を得る必要があります。

 離婚によって親の戸籍が移っても、子供の戸籍はそのままです。自分の戸籍に子供を入れる場合には、家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」をして許可を得る必要があります。これは旧姓に戻す場合だけでなく、結婚していたときの姓を名乗る場合も必要です。

 

6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ

 ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。

 当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

 まずは、安心してお気軽にご相談ください。 

>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

 

7.弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 30万円(さらに10%OFF)

  報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 40万円(さらに10%OFF)   

  報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)

  着手金 15万円   

  報酬金 0円

 

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

2017.02.18更新

婚約を破棄された男性から、婚約破棄による慰謝料以外の損害賠償についてのご相談です。 

結論:慰謝料の他、結婚式や披露宴の費用、家具購入等の同居のための費用、勤務先を退職したことによる逸失利益等の損害賠償を請求できる可能性があります。

詳しくは下記のブログをお読みください。

婚約破棄でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者

 30代の男性(会社員)

 ①女性は20代(会社員)

 ②交際期間は5か月

 

2.ご相談の内容

 婚活パーティで知り合った女性と婚約して、結婚式と披露宴もしたのですが、性格が合わないことを理由に婚約を破棄されました。現在、体調を崩して、仕事も手につきません。

 慰謝料以外にどんな損害を請求できるでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 慰謝料の他、結婚式や披露宴の費用、家具購入等の同居のための費用、勤務先を退職したことによる逸失利益等の損害賠償が考えられます。

 

(1)どんな場合に婚約破棄の損害賠償を請求できるの?

 婚約を破棄された場合に損害賠償を請求するためには、まず、婚約が成立していることが必要です。

 婚約は、将来夫婦になろうとする合意があれば成立するので、結納や婚約指輪の交換があればもちろんですが、それがなくても、将来夫婦になろうと合意したような事情があれば、婚約の成立は認められます。 

 損害賠償を請求しても、相手から婚約が成立していないと言われることもよくあるので注意しましょう。

 それ以外に、損害賠償が認められるためには、婚約破棄に正当な理由がないことが必要です。 

 婚約も将来夫婦になろうとする合意なので、正当な理由なく一方的に婚約を破棄することはできません。その場合には、婚約破棄は違法となり、損害賠償を請求することができます。

  

(2)正当な理由ってどんな場合に認められるの?

 正当な理由と言えるためには、結婚後の円満な夫婦生活を妨げるような事情が必要です。

 このような事情は個別具体的に判断されるので、正当な理由が認められるかどうかはケースバイケースです。

 正当な理由が認められる場合としては、相手に暴力や暴言がある場合、性交渉が不能な場合、相手が他の人と事実上婚姻していた場合、相手が結婚式の直前に行方をくらました場合などがあります。

 単に相性が悪いというだけでは正当な理由があるとは言えません。

  

(3)慰謝料以外に、どんな損害を請求できるの?

 婚約破棄による損害として、慰謝料の他、結婚式や披露宴の費用、家具購入等の同居のための費用、勤務先を退職したことによる逸失利益等が考えられます。 

 慰謝料については、婚約を破棄されることによってショックから体調不良になってしまうことも多く、婚約破棄に正当な理由がない場合には、精神的な苦痛を慰謝するために慰謝料が認められています。慰謝料の相場としては、30~200万円と言われています(詳しくはこちらをご覧ください)。

 

①結婚式や披露宴の費用やキャンセル費用

 結婚式や披露宴の費用やキャンセル費用等を支払っていれば、これも損害といえます。

(ケース)

 ①事案女性が婚約を破棄した男性に結婚式や披露宴の費用を請求

 ②結論請求を認めた

 ③ポイント結婚式や披露宴は結婚に向けての準備行為として必須の行為

 ④判例:裁判所は、男性が主張する性交渉の不能は男性の心因によるもので婚姻後の性生活を妨げるものとはいえず、また、「それだけ働いて私と同じ給料なの?」という発言もそれだけで男性の仕事を侮辱するとまではいえず、それだけで重大な性格の不一致があったとはいえず、婚約破棄に正当な理由はないとした上で、婚約成立から結婚に至るまでの準備行為として必須の費用として、結婚式や披露宴の費用の損害賠償を認めました(東京地裁平成28年3月25日判決)。

 

②家具や家電製品 

 結婚の準備として購入した家具や家電製品についても、損害として認められる場合があります。

(ケース)

 ①事案女性が婚約を破棄した男性に婚礼家具や電化製品の費用を請求

 ②結論請求の一部を認めた

 ③ポイント転用が可能な場合には全額は認められない

 ④判例:裁判所は、婚礼家具については、婚姻生活の準備のために購入したもので、男性と相談して、男性の自宅の寸法に合わせたものであることを理由に、全額の損害賠償を認めました。

 他方、電化製品については、必ずしも全てが新しい生活に必須のものとはいえず、転用も可能であることを理由に、購入額の4分の1について損害賠償を認めました(東京地裁平成28年3月25日判決)。 

 

③結婚退職により失った収入

 結婚退職したことにより失った収入についても、損害として認められる場合があります。

(ケース1)

 ①事案女性が婚約を破棄した男性に退職によって失った収入を請求

 ②結論請求を認めた

 ③ポイント結婚準備のため退職せざるを得なかった

 ④判例:裁判所は、女性は、結婚して男性が住む広島に行くために退職し、男性との結婚のための準備が進展しなければ、男性との同居期間中、就労を継続して収入を得たといいうるとして、その期間中の収入について損害賠償を認めました(東京地裁平成19年1月19日判決)。

 これに対して、損害として認められない場合もあります。

(ケース2)

 ①事案女性が婚約を破棄した男性に退職によって失った収入を請求

 ②結論請求を認めなかった

 ③ポイント退職しなくてもよかった

 ④判例:裁判所は、男性の婚約破棄は正当な理由がないとした上で、結婚を機に退職するか否かは、本人の自由な意思決定に委ねられ、退職による減収は、女性が就労しなかったことに起因する減収に他ならないとして、損害賠償を認めませんでした(東京地裁平成15年7月17日判決)。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、性格が合わないことを理由に婚約を破棄されたということですが、性格が合わないというだけでは、正当な理由があるとは認められない可能性が高いといえます。したがって、損害賠償を請求できると可能性は高い考えられます。

 損害賠償としては、結婚式と披露宴をした後に婚約を破棄され、体調を崩しているということなので、慰謝料の他にも、結婚式や披露宴に要した費用を請求することができます。

 

5.今回のポイント 

 婚約を破棄された場合に損害賠償を請求するためには、①婚約が成立していること、②婚約破棄に正当な理由がないことが必要です。 

 婚約破棄による損害として、慰謝料の他、結婚式や披露宴の費用、家具購入等の同居のための費用、勤務先を退職したことにより失った収入等が考えられます。

 結婚式や披露宴の費用は、認められやすいといえますが、家具購入等の同居のための費用は、全額が認められないこともあります。また、結婚退職により失った収入は、場合によっては損害賠償が認められないこともあります。

  

6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ

 ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。

 当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

 まずは、安心してお気軽にご相談ください。  

>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

 

7.弁護士費用(税別)

① 慰謝料請求事件

  着手金(さらに10%OFF) 

  300万円以下の場合           8%(ただし、最低10万円)

  300万円を超えて3000万円までの場合   5%+9万円

  3000万円を超えて3億円までの場合     3%+69万円       

 

  報酬(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合   10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合     6%+138万円       

 

② 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2017.02.14更新

婚約を破棄された男性から、婚約破棄による慰謝料の相場についてのご相談です。

結論:婚約の破棄による慰謝料の相場は50~150万円くらいですが、250万円の慰謝料が認められた場合もあります。

詳しくは下記のブログをお読みください。

婚約破棄の慰謝料でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者

 40代の男性(自営業)

 ①女性は30代(会社員)

 ②交際期間は7か月

 

2.ご相談の内容

 結婚相談所で知り合った女性と婚約して、結婚式場を探していたのですが、突然、一方的に婚約を破棄されました。不審に思って調査したら、女性が他の男性と交際していたことが分かりました。

 相手に慰謝料を請求したいのですが、慰謝料の相場はいくらでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 婚約の破棄による慰謝料の相場は50~150万円くらいですが、250万円の慰謝料が認められた場合もあります。

 

(1)どんな場合に婚約破棄の慰謝料を請求できるの?

 婚約を破棄された場合に慰謝料を請求するためには、まず、婚約が成立していることが必要です。

 婚約は、将来夫婦になろうとする合意があれば成立するので、結納や婚約指輪の交換があればもちろんですが、それがなくても、将来夫婦になろうと合意したような事情があれば、婚約の成立は認められます。 

 慰謝料を請求しても、相手から婚約が成立していないと言われることもよくあるので注意しましょう。

 それ以外に、慰謝料が認められるためには、婚約破棄に正当な理由がないことが必要です。 

 婚約も将来夫婦になろうとする合意なので、正当な理由なく一方的に婚約を破棄することはできません。その場合には、婚約破棄は違法となり、慰謝料を請求することができます。

  

(2)正当な理由ってどんな場合に認められるの?

 正当な理由と言えるためには、結婚後の円満な夫婦生活を妨げるような事情が必要です。

 このような事情は個別具体的に判断されるので、正当な理由が認められるかどうかはケースバイケースです。

 正当な理由が認められる場合としては、相手に暴力や暴言がある場合、性交渉が不能な場合、相手が他の人と事実上婚姻していた場合、相手が結婚式の直前に行方をくらました場合などがあります。

 単に相性が悪いというだけでは正当な理由があるとは言えません。

 

(3)慰謝料の相場っていくら?

 婚約を破棄された場合、ショックから体調不良になってしまうことも多く、精神的な苦痛を慰謝するために慰謝料が認められています。

 ただ、慰謝料を決めるにあたっては、特に明確な基準があるわけではありません。というのも、慰謝料は精神的苦痛を慰謝するために支払われ、精神的苦痛は人それぞれによって様々なので、明確な基準を作ることができないからです。

 一般的には、婚約破棄の原因の他、年齢や交際期間、婚約後の期間、婚約破棄の時期、婚約した女性との性交渉・妊娠・出産の有無、退職の有無、婚約を破棄された側の落ち度等の事情が考慮されます。

(ケース1)

 ①事案女性が他の女性との交際を理由に婚約を破棄した男性に慰謝料を請求

 ②結論120万円

 ③ポイント男性の婚約破棄の理由が他の女性との交際であること、女性が妊娠・中絶したこと、体調を崩したこと

 ④判例:裁判所は、女性が妊娠した後中絶したこと、婚約破棄後に女性が体調を崩したこと、女性が退職したため求職する必要があることなどを理由に、120万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成18年6月28日判決)。

(ケース2)

 ①事案女性が性格の不一致を理由に婚約を破棄した男性に慰謝料を請求

 ②結論100万円

 ③ポイント女性が妊娠・中絶したこと、男性の婚約破棄の理由が性格の不一致にすぎないこと

 ④判例:裁判所は、女性が男性と結婚することを合意して出産の準備に入った矢先に不当に婚約を破棄され、その結果、中絶手術を選択し、妊娠11週における危険な手術をすることになったことなどを理由に、100万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成16年1月16日判決)。

(ケース3) 

 ①事案婚約破棄によってうつ病になった女性が婚約を破棄した男性に慰謝料を請求

 ②結論70万円

 ③ポイント婚約破棄によってうつ病になった、男性の婚約破棄について女性にも原因がある

 ④判例:裁判所は、女性は婚約破棄のショックで急性ストレス(うつ病)となったが、現在は勤務に戻っていること、男性が女性から仕事で帰宅が遅くなることや男女関係を詮索されることに不満を持ち、結婚に疑問を感じ、話し合いをしたが、結婚したくないとの気持ちを動かすことができないと認識して婚約破棄に至ったことなどを理由に、女性が受けた苦痛は、婚約破棄によって通常生じると考えられる程度の精神的苦痛にとどまるとして、70万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成18年12月25日判決)。

(ケース4)

 ①事案男性が婚約を破棄した女性に慰謝料を請求

 ②結論30万円

 ③ポイント男性の精神的苦痛が軽微、女性の婚約破棄について男性にも3割の責任がある

 ④判例:裁判所は、男性が婚約解消によって勤務先で気まずい思いをしなければならず、女性は婚約解消の理由を説明せず、誠実さを欠いているが、婚約破棄は、男性がガス工事の立会予定日に女性を激しく叱責したことや、結婚式の費用負担のトラブルなどによって、女性がこのまま結婚してもうまく行かないと判断したことによるもので、男性にも原因の一端があることを理由に、女性の責任の割合を7割として、30万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成18年4月28日判決)。

 また、男性側の原因で婚約を破棄した女性が男性に慰謝料を請求した場合ですが、250万円の慰謝料を認めた事案もあります。

(ケース5)

 ①事案婚約した女性が他の女性を妊娠させた男性に慰謝料を請求

 ②結論250万円

 ③ポイント男性が他の女性を妊娠させた、男性以外に頼る人がいない状況で女性が体調を崩した

 ④判例:裁判所は、女性が男性から結婚を申し込まれ、ウエディングドレスを購入して準備を重ねてきたこと、他の女性の妊娠を知り、女性が会社を退職後、男性以外に頼る人がいない土地で体調を崩して実家に戻ったことなどを理由に、250万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成19年1月19日判決)。

 このように、婚約の破棄による慰謝料の相場は、だいたい50~150万円くらいですが、250万円の慰謝料が認められた場合もあります。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、女性が他の男性と交際していて一方的に婚約を破棄されたということなので、婚約破棄に正当な理由はないと考えられますので、慰謝料は請求できる可能性は高いと言えます。

 具体的な金額については、ケースバイケースですが、相手の女性が他の男性と交際していたということであれば、精神的苦痛は大きいといえるので、慰謝料の額は高くなる可能性があります。

 

5.今回のポイント

 婚約を破棄された場合に慰謝料が認められるためには、婚約が成立していること、婚約破棄に正当な理由がないことが必要です。   

 慰謝料を決めるにあたっては、特に明確な基準があるわけではなく、婚約破棄の原因等の様々な事情を考慮して決められます。

 婚約破棄による慰謝料の相場は、だいたい50~150万円くらいですが、250万円の慰謝料が認められた場合もあります。

 

6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ

 ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。

 当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

 まずは、安心してお気軽にご相談ください。  

>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

 

7.弁護士費用(税別)

① 慰謝料請求事件

  着手金(さらに10%OFF) 

  300万円以下の場合           8%(ただし、最低10万円)

  300万円を超えて3000万円までの場合   5%+9万円

  3000万円を超えて3億円までの場合     3%+69万円       

 

  報酬(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合   10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合     6%+138万円       

 

② 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2017.02.11更新

婚約を破棄された女性から、結納金の返還についてのご相談です。

結論:正当な理由なく婚約を破棄されたときは、結納金を返す必要はありません。

詳しくは下記のブログをお読みください。

婚約の破棄でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者

 30代の女性(会社員)

 ①男性は30代(会社員)

 ②交際期間は1年

 

2.ご相談の内容

 交際していた男性と婚約し、結納金として100万円を受け取りました。ところが、しばらくしてから、結婚を止めたいので結納金を返してほしいと言われています。

 一方的に婚約を破棄されたのに結納金を返さないといけないのでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 正当な理由なく婚約を破棄された場合には結納金を返す必要はありません。

 

(1)婚約を解消したら結納金は返すの?

 婚約が成立すると結納金が男性から女性に結納金が送られることがあります。

 この結納金については、婚約の成立を確証するとともに、婚姻の成立を目的として授受される一種の贈与とされています(最高裁昭和39年9月4日判決)。

 したがって、婚約が解消されれば、婚姻の成立という目的は達成できないので、原則として結納金は返さなければいけません。

 

(2)男性が婚約を破棄した場合に女性は結納金を返すの?

 もっとも、婚約も将来夫婦になろうとする合意なので、正当な理由もなく一方的に破棄することはできず、正当な理由もなく、一方的に婚約を破棄した場合には違法とされます。

 したがって、男性が一方的に婚約を破棄した場合に、女性が結納金を返さないといけないのかどうかは、婚約破棄に正当な理由があるかどうかによります。

 男性が正当な理由で婚約を破棄した場合には、婚約の解消について男性には何の落ち度もないので、女性は結納金を返さなければいけません。 

 これに対して、男性が正当な理由なく婚約を破棄した場合には、婚約の解消の責任は男性にあり、女性には何の責任もないので、結納金を返す必要はありません。

(ケース)

 ①事案結婚詐欺を理由に婚約を破棄した男性が、女性に対して結納金の返還を請求

 ②結論返還を認めなかった

 ③ポイント結婚詐欺とは認められず、婚約破棄に正当な事由がない

 ④判例:裁判所は、女性には真実結婚の意思があり、財産目当ての結婚詐欺とするのは、男性の独断にすぎないとした上で、正当な事由もないのに婚約を破棄した場合には、信義則上結納金の返還を求められないとして、結納金の返還を認めませんでした(大阪地裁昭和43年1月29日判決)。

 

(3)女性が婚約を破棄した場合に男性は結納金の返還を請求できるの?

 女性が一方的に婚約を破棄した場合に、男性が結納金の返還を請求できるかどうかも、同じように婚約破棄に正当な理由があるかどうかによります。 

 女性が正当な理由なく婚約を破棄した場合には、婚約の解消について男性には何の落ち度もないので、女性に結納金の返還を請求できます。  

 これに対して、女性が正当な理由で婚約を破棄した場合には、婚約の解消について女性には何の落ち度もないので、女性に結納金の返還を請求することはできません。

(ケース)

 ①事案新婚旅行先から実家に逃げ帰って婚約を破棄した女性に対して男性が結納金の返還を請求

 ②結論返還を認めなかった

 ③ポイント婚約解消の責任は男性の方が大きい

 ④判例:裁判所は、婚約破棄は、結婚式当日ないし新婚旅行の新郎としてわきまえるべき社会常識を相当程度逸脱した言動が原因であり、婚約解消について男性の責任が女性より上回るとして、結納金の返還を認めませんでした(福岡地裁小倉支部昭和48年2月26日判決)。

 

(4)婚約破棄についてどちらか一方に責任があるとはいえない場合にはどうなるの?

 婚約破棄について、どちらか一方に責任があるとはいえない場合には、どちらか一方を責めることはできないので、原則どおり女性は結納金を返さなければいけません。

(ケース)

 ①事案婚約を破棄した女性に対して男性が結納金の返還を請求

 ②結論返還を認めた

 ③ポイント婚約解消について両方に責任がある

 ④判例:裁判所は、両者の間では、結婚式の在り方や費用、結婚後の新生活について、些細なことから口論や争いとなることが多く、女性が将来への不安を抱き、男性の行為によって転倒したこと等から男性への不信感が増幅して婚約解消を決意するに至ったものであり、どちらか一方のみに責任があるとはいえないとして、結納金の返還を認めました(東京地裁平成20年6月4日判決)。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、結納金を返す必要があるかどうかは、婚約の破棄について正当な理由があるかどうかによって決まります。

 男性に婚約破棄についての正当な理由がある場合には、結納金を返さなければいけませんが、正当な理由がない場合には、結納金を返す必要はありません。

 婚約の破棄について正当な理由があるかどうかは、なかなか判断がつかない場合もあるので、その場合には裁判で決めるほかありません。

 

5.今回のポイント

 男性が婚約を破棄した場合に、女性が結納金を返さないといけないのかどうかは、婚約破棄に正当な理由があるかどうかによります。 

 男性が正当な理由で婚約を破棄した場合には、女性は結納金を返さなければいけませんが、正当な理由なく婚約を破棄した場合には、結納金を返す必要はありません。 

 女性が婚約を破棄した場合に、男性が結納金の返還を請求できるかどうかも、同じように婚約破棄に正当な理由があるかどうかによります。 

 女性が正当な理由なく婚約を破棄した場合には、結納金を返還しなければいけませんが、正当な理由がある場合には、結納金を返還する必要はありません。

 婚約破棄について、どちらか一方に責任があるとはいえない場合には、どちらか一方を責めることはできないので、原則どおり女性は結納金を返さなければいけません。 

  

 

6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ

 ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。

 当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

 まずは、安心してお気軽にご相談ください。  

>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

 

7.弁護士費用(税別)

① 結納金請求事件

  着手金(さらに10%OFF) 

  300万円以下の場合            8%(ただし、最低10万円)

  300万円を超えて3000万円までの場合  5%+9万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    3%+69万円       

 

  報酬(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合            16%

  300万円を超えて3000万円までの場合    10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

② 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2017.02.04更新

婚約を破棄された男性から、婚約破棄による慰謝料が認められる理由についてのご相談です。

結論:性格の不一致など正当な理由なく婚約を破棄されたときは慰謝料を請求することができます。

詳しくは下記のブログをお読みください。

婚約破棄でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者

 20代の男性(会社員)

 ①女性は20代(会社員)

 ②交際期間は1年

 

2.ご相談の内容

 友人を通じて知り合った女性と婚約し、結婚式の準備をしていましたが、突然、あなたとは性格が合わないと言われ、婚約を破棄されました。

 このような理由で婚約を破棄された場合、慰謝料を請求できるでしょうか。

 

3.ご相談への回答

 正当な理由なく婚約を破棄された場合には慰謝料を請求することができます。

 

(1)どんな理由があれば婚約破棄の慰謝料を請求できるの?

 婚約をした後、将来結婚する意思がなくなったときは、結婚を強制することはできないので、婚約を解消せざるを得ません。

 この場合、婚約も将来夫婦になろうとする合意なので、正当な理由もなく一方的に破棄することは許されません。正当な理由なく婚約が破棄された場合には、慰謝料を請求することができます。

 

(2)正当な理由ってどんな場合なの?

 正当な理由と言えるためには、結婚後の円満な夫婦生活を妨げるような事情が必要です。

 このような事情は個別具体的に判断されるので、正当な理由が認められるかどうかはケースバイケースです。

 正当な理由が認められる場合としては、相手に暴力や暴言がある場合、性交渉が不能な場合、相手が他の人と事実上婚姻した場合、相手が結婚式の直前に行方をくらました場合などがあります。

 このような理由で婚約を破棄された場合には、婚約破棄について正当な理由があるので、慰謝料は認められません。

(ケース1)

 ①事案男性が性交渉できないことを理由に婚約解消した女性に男性が慰謝料を請求

 ②結論性交渉できないことは婚約解消の正当事由にあたる

 ③ポイント性交渉は夫婦生活の上で重要

 ④判例:裁判所は、男性が数回女性と性交をしようとしたが、正常に性交することができなかったこと、過去にも他の女性と性交しようとしてできなかったことからすれば、男性はその身体に女性と正常な性交をすることができない肉体的欠陥があったものというべきであるから、女性が婚約を解消するにつき正当な事由があるとして、男性の慰謝料請求を認めませんでした(高松高裁昭和46年9月22日判決)。

 

(ケース2)

 ①事案同居開始後の不安や男性との生活の違和感を理由に婚約を破棄した女性に対して、女性が他の男性と交際しているとして、男性が慰謝料を請求

 ②結論同居開始後の不安や生活の違和感であっても婚約解消の正当事由にあたる

 ③ポイント暴行・暴言があること、男性が女性を顧みないこと

 ④判例:裁判所は、女性に他の男性との交際の事実は認められず、女性が婚約解消を申し出た理由は、同居中、コミュニケーションを取りにくく、不安を抱くことがあり、喧嘩の際に暴言や暴行を受けたことがあり、結婚式後も深夜になっても連絡がつかず、帰宅しないこともあり、結婚生活を続けることはできないと考えたものであって、男性も話し合いによってこれを了承したことを理由に、婚約の破棄が不当なものとはいえないとして、男性の慰謝料請求は認めませんでした(東京地裁平成19年3月28日判決)。

  これに対して、相性が悪い、年回りが悪い、性格の不一致等といった理由では、正当な理由とはなりません。

 

(3)慰謝料はどれくらいなの?

 婚約が認められる場合に、正当な理由なく婚約が破棄されれば慰謝料を請求することができます。 

 ただ、慰謝料を決めるにあたっては、特に明確な基準があるわけではありません。というのも、慰謝料は精神的苦痛を慰謝するために支払われ、精神的苦痛は人それぞれによって様々なので、明確な基準を作ることができないからです。

 一般的には、婚約破棄の原因の他、年齢や交際期間、婚約後の期間、婚約破棄の時期、婚約した女性との性交渉・妊娠・出産の有無、退職の有無、婚約を破棄された側の落ち度等の事情が考慮されます。

 慰謝料の金額は、ケースバイケースですが、だいたい50~150万円くらいです(詳しくはこちらをご覧ください。)

 一例を挙げてみます。 

(ケース)

 ①事案女性が性格の不一致を理由に婚約を破棄した男性に慰謝料を請求

 ②結論100万円

 ③ポイント女性が妊娠・中絶したこと、男性の婚約破棄の理由が性格の不一致にすぎないこと

 ④判例:裁判所は、女性が男性と結婚することを合意して出産の準備に入った矢先に不当に婚約を破棄され、その結果、中絶手術を選択し、妊娠11週における危険な手術をすることになったことなどを理由に、100万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成16年1月16日判決)。

   

(4)婚約を破棄して慰謝料を請求することはできるの?

 場合によっては、自分から婚約を破棄して相手に慰謝料を請求することも考えられます。

 このような場合には、婚約破棄について正当な理由があれば、相手に慰謝料を請求することができます。 

(ケース)

 ①事案男性から肉体関係を強制されたうえ、暴言を吐かれたことを理由に婚約を解消した女性が、男性に慰謝料を請求

 ②結論126万円

 ③ポイント男性が婚姻前の肉体関係を強要し、暴言を吐いた

 ④判例:裁判所は、破談に至った要因は、男性が婚姻前の肉体関係を強要し、その直後に侮辱するような暴言を吐いたことによるものであり、女性としては結婚しても円満に行かないと考え、これをあきらめる心境になっても無理がないとして、婚約解消につき正当な理由があることを認め、50万円(現在では約126万円)の慰謝料請求を認めました(東京高裁昭和48年4月26日判決)。

  

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、性格が合わないことを理由に女性から婚約を破棄されていますが、単に性格の不一致というだけでは婚約破棄の正当な理由にはなりません。したがって、その場合には、婚約の不当破棄を理由に慰謝料を請求することができます。

 

5.今回のポイント

 正当な理由なく婚約が破棄された場合には、慰謝料を請求することができます。

 正当な理由と言えるためには、結婚後の円満な夫婦生活を妨げるような事情が必要です。

 正当な理由が認められる場合としては、相手に暴力や暴言がある場合、性交渉が不能な場合、相手が他の人と事実上婚姻した場合、相手が結婚式の直前に行方をくらました場合などがあります。

 相性が悪い、年回りが悪い、性格の不一致等といった理由では、正当な理由とはなりません。

 

6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ

 ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。

 当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

 まずは、安心してお気軽にご相談ください。  

>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

 

7.弁護士費用(税別)

① 慰謝料請求事件

  着手金(さらに10%OFF) 

    300万円以下の場合            8%(ただし、最低10万円)

  300万円を超えて3000万円までの場合  5%+9万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    3%+69万円       

 

  報酬(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合            16%

  300万円を超えて3000万円までの場合    10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

② 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

2017.01.28更新

婚約を破棄された女性から、結婚の口約束だけの場合の婚約破棄の慰謝料についてのご相談です。

結論:結納や婚約指輪の交換をしていなくても、婚約破棄の慰謝料を請求できる可能性はあります。

詳しくは下記のブログをお読みください。

婚約破棄でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

  

1.ご相談者

 30代の女性(会社員)

 ①男性は30代(自営業)

 ②交際期間は5年

 

2.ご相談の内容

 交際して5年になる男性がいます。それぞれの両親も私たちの交際を知っていて、1年前から同棲し始め、プロポーズもされました。ところが、最近になって別れたいとの連絡がありました。私が慰謝料を請求したら、結納や婚約指輪の交換もしていないのに払う必要はないと言ってきました。

 結婚の口約束だけで、結納や婚約指輪の交換をしていないと、婚約破棄の慰謝料を請求できないのでしょうか? 

 

3.ご相談への回答

 結納や婚約指輪の交換をしていなくても、将来夫婦になろうとする合意があれば、婚約は成立します。その場合、婚約破棄に正当な理由がなければ、慰謝料を請求することができます。

 

(1)結納や婚約指輪の交換がないと婚約にならないの?

 婚約破棄による慰謝料を請求するためには、そもそも婚約が成立していないといけません。

 婚約とは、将来夫婦になろうとする合意をいいます。

 結婚するにあたっては、プロポーズをしてお互いに結婚する意思を確認した後、お互いの両親に挨拶し、結納をして婚約指輪を送り、結婚式をして、婚姻届を出すというのが一般的です。

 この流れの中で、どこで婚約が成立するかです。

 婚約の儀式としての結納や、婚約指輪の交換があれば、外形的にも結婚する意思は明らかなので、婚約といえます。

 ただ、将来夫婦になろうとする合意があれば婚約したといえるので、結納や婚約指輪の交換がなくても、結婚の口約束があれば、婚約は成立します。

 

(2)どんな場合に婚約が認められるの?

 結納や婚約指輪の交換がなくても、将来夫婦になろうとする合意があったと言えるような事情があれば、婚約は成立します。

(ケース1)

 ①事案4年間同棲していた女性が、他の女性と結婚した男性に対し、婚約破棄を理由に慰謝料を請求

 ②結論婚約の成立を認めた

 ③ポイント男性がプロポーズをしていた、両親への挨拶の段取りを話し合っていた

 ④判例: 裁判所は、男性がプロポーズをしたこと、女性が友人にこれを報告し、男性との間で両親に対する挨拶の段取りを話し合っていたこと、交際期間が10年以上で、いずれも30歳を超え、結婚を検討しても不思議でないことを理由に婚約が成立しているとしました(東京地裁平成28年3月25日判決)。 

(ケース2)

 ①事案妊娠中絶した女性が、交際の終了を告げた男性に対し、婚約破棄を理由に慰謝料を請求

 ②結論交際3か月でも婚約の成立を認めた

 ③ポイント女性が妊娠していた、結婚を前提とした挨拶や会話がされていた

 ④判例:裁判所は、交際開始当時から結婚を想定していたこと、交際が男女関係に至っていること、妊娠後も交際が継続していたこと、男性が女性の母親に会って挨拶していること、当事者の間で、妊娠の判明後、安定期に入ったら親戚に挨拶回りをする、挙式はお腹が目立たない時期までにするなどの会話がされ、男性が異論を述べなかったことなどを理由に、3か月の交際でも婚約が成立しているとしました(東京地裁平成16年1月16日判決)。

 

(3)慰謝料はどれくらいなの?

 婚約が認められる場合に、正当な理由なく婚約が破棄されれば慰謝料を請求することができます。

 婚約の破棄による慰謝料の相場は50~150万円くらいですが、250万円の慰謝料が認められた場合もあります(詳しくはこちら)。

(ケース1)

 ①事案先程のケース1

 ②結論80万円

 ③ポイント交際期間が長い、円形脱毛症になった、婚約から破棄まで1年にすぎない

 ④判例:裁判所は、交際期間が20~30歳代にかけて10年に及び、不妊治療に適切な時期を逸したこと、円形脱毛症に罹患したこと、婚約から破棄まで1年にすぎないことを理由に、80万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成28年3月25日判決)。 

(ケース2)

 ①事案先程のケース2

 ②結論100万円

 ③ポイント女性が妊娠し、中絶手術をした

 ④判例:裁判所は、出産の準備に入る矢先に婚約を破棄されたこと、その結果中絶手術をしたこと、妊娠11週の危険な手術であったことなどを理由に、100万円の慰謝料を認めました(東京地裁平成16年1月16日判決)。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、1年前に同棲を始めてプロポーズされ、これを承諾したということなので、将来夫婦になろうとする合意があったと言えます。

 したがって、婚約の成立は認められます。

 婚約が成立している場合には、正当な理由がないと婚約を破棄することはできないので、正当な理由がなければ、相手方に慰謝料を請求することができます。

 

5.今回のポイント

 婚約とは、将来夫婦になろうとする合意をいいます。

 婚約が成立するためには、結納や婚約指輪の交換は必要なく、結婚の口約束であっても、婚約は成立します。

 婚約が成立している場合には、婚約を破棄することに正当な理由がなければ、相手方に慰謝料を請求することができます。

 

6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ

 ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。

 当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

 まずは、安心してお気軽にご相談ください。

>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

 

7.弁護士費用(税別)

① 慰謝料請求事件

  着手金(さらに10%OFF) 

  300万円以下の場合            8%(但し、最低10万円)

  300万円を超えて3000万円までの場合  5%+9万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    3%+69万円             

 

  報酬(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合            16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

② 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

2016.07.21更新

離婚を考えている奥様から、財産分与における退職金の取り扱いについてのご相談です。

結論:既に支払われた退職金はもちろん、将来の退職金であっても、財産分与の対象となる可能性があります。

詳しくは下記のブログをお読みください。

離婚の財産分与でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~19:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者

 50代の女性(主婦)

 ①夫は50代(会社員)

 ②婚姻期間は22年

 ③財産は預金、マンション

 

2.ご相談の内容

 夫はろくに生活費を渡さず、私に隠れて数百万円の借金をしていたことがありました。そのときは夫の両親にも助けてもらい、借金をきれいにしました。

 ところが、最近になって、また夫が借金をしていることが分かりました。これ以上夫と一緒にいても仕方ないので、離婚しようと思っています。夫は、あと数年で定年退職し、会社から退職金が払われますが、それまで一緒にいたくありません。

 今離婚すると夫の退職金は財産分与でもらえないのでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 将来支払われる退職金は、当然には財産分与の対象にはなりません。

 将来退職金が支払われることが確実といえるような場合に、財産分与の対象になります。

 

(1)退職金は財産分与の対象になるの?

 財産分与は、夫婦が協力して形成した財産を清算する制度なので、夫婦の共有財産といえる限り、財産分与の対象になります。

 退職金は、賃金の後払いの性質を有するとされているので、離婚の時点で退職金が既に支払われている場合には、退職金についても夫婦の協力によって形成されたものと考えられ、婚姻期間中の給料の支払と同様、財産分与の対象になります。

  ただ、財産分与は、あくまで夫婦が協力して形成した財産を清算する制度なので、退職金も婚姻期間に相当する部分に限られます。

 たとえば、学校を卒業して何年か働いた後で結婚したというような場合には、退職金自体は結婚する前の期間も含めて算定されていますが、財産分与にあたっては、結婚した後の期間しか対象にならないことになります。

(ケース)

 ①事案協議離婚した妻が夫に財産分与として既に支払われた退職金1761万円の2分の1を請求

 ②結論410万円

 ③ポイント夫の勤務期間12年2カ月のうち、妻が同居していたのは5年8か月だった

 ④判例:裁判所は、夫の退職金は、夫が勤務した12年2か月を対象としたもので、妻が夫と同居してその維持形成に寄与したのは5年8か月であるから、同居期間だけを寄与期間として計算すべきであるとして、同居期間の退職金820万円の2分の1の410万円の支払を認めました(横浜家裁平成13年12月26日審判)。

 

(2)将来の退職金は財産分与の対象になるの?

 将来退職金が支払われる場合であっても、まだ夫が退職していない場合には、退職金が支払われていないので、実際に分けることができません。

 将来の退職金は、倒産など経済状況によっては支払われないこともありますし、解雇された場合に支払われないこともあります。また、定年前に自己都合で退職した場合にも退職金の額が変わってきます。

 このように将来の退職金には、不確定な要素が多く、退職金の金額や支払自体を確定できないので、財産分与の対象としにくい面があります。

 とはいえ、このまま特に問題なく勤務していれば退職金が払われることが確実な場合もあります。

 そのため、将来の退職金については、将来退職金が支払われることが確実といえるような場合に、財産分与の対象になるとされています。

(ケース)

 ①事案妻が協議離婚後、離婚時に34年間勤務していた元夫の将来の退職金の財産分与を請求

 ②結論612万円の財産分与を認めた

 ③ポイント元夫の勤務する会社の規模が大きかった

 ④判例:裁判所は、将来支給を受ける退職金であっても、その支給を受ける高度の蓋然性が認められるときには、財産分与の対象とすることができるとした上で、元夫の勤務する企業の規模等から、退職時に退職金の支給を受けることはほぼ確実であることを理由に、退職金が支給されたときに612万円を支払うことを認めました(東京高裁平成10年3月13日決定)。

 

(3)どんな場合に将来の退職金の財産分与が認められるの?

 どのような場合に「将来退職金が支払われることが確実な場合」といえるかは、本人の事情や会社の事情もあり、なかなか難しいところがあります。

(ケース1)

 ①事案妻が国家公務員の夫に将来の退職手当の財産分与を請求

 ②結論550万円の財産分与を認めた

 ③ポイント夫が国家公務員だった、定年まで8年だった、現在の退職手当額と定年時の退職手当額の差が大きいので妻に配慮した

 ④判例:裁判所は、夫は別居時まで23年勤続し、現在自己都合によって退職しても1632万円の退職手当を受給できること、婚姻して別居するまで妻の協力があったことは否定できないこと、定年まで8年あり、退職手当を受給できない場合もあること、定年退職時の退職手当額1160万円が現在の自己都合の退職手当額907万円と比べて差が大きいことなどを理由に、907万円のうち、550万円の財産分与を認めた上で、支払時期は将来退職手当を受給したときとしました(名古屋高裁平成12年12月20日判決)。 

(ケース2)

 ①事案妻が会社員の夫に将来の退職手当の財産分与を請求

 ②結論188万円の財産分与を認めた

 ③ポイント夫が6年後まで勤務する蓋然性がある、退職金の支給について不確定な要素がある

 ④判例:裁判所は、夫婦関係は悪化していたが、別居時までは妻としての役割を果たしていたこと、現在退職した場合でも699万円の退職金が受け取れること、夫が6年後の定年まで現在の会社に勤務して退職金を支給される蓋然性が認められること、退職金の支給について不確定な要素を全く否定できないことを理由に、定年時の退職金額を現在の金額に引き直した額の5割にあたる188万円の財産分与を認めました(東京地裁平成11年9月3日判決)。

  

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、婚姻期間が長いので、その間も夫が継続して会社に勤務していたとすると相当な退職金を受け取ることができるのでしょう。その場合、定年退職まであと数年ということなので、定年まで勤務する可能性は高いと言えます。

 そうすると、将来退職金が支払われることが確実といえる可能性が高いので、将来の退職金も財産分与の対象とされる可能性は高いといえます。

 その場合、財産分与の対象となる将来の退職金の金額をどのように決めるかについては、いろいろな考えがあるので、一概には言えません。

 ただ、財産分与の割合については、特段の事情がない限り「2分の1ルール」に基づいて、2分の1の権利を持つといえます。

 

5.今回のポイント

 離婚の時点で退職金が既に支払われている場合には、当然、財産分与の対象になります。

 退職金も婚姻期間に相当する部分についてのみ財産分与の対象になります。

 将来の退職金は、当然には財産分与の対象とはならず、将来退職金が支払われることが確実といえるような場合に財産分与の対象になります。

 どのような場合に「将来退職金が支払われることが確実な場合」といえるかは、本人の事情や会社の事情に照らして判断されるのでケースバイケースですが、6~8年後に退職する場合には、財産分与の対象となる可能性があります。

  

6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ

 ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。

 当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

 まずは、安心してお気軽にご相談ください。

>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

  

7.弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 30万円(さらに10%OFF)

  報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 40万円(さらに10%OFF)   

  報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)

  着手金 15万円   

  報酬金 0円

 

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

2016.07.09更新

離婚を考えている奥様から、財産分与の際の、親から援助されたマンションの住宅ローンの頭金についてのご相談です。

結論:親から援助された住宅ローンの頭金も返還される場合があります。

詳しくは下記のブログをお読みください。

離婚の財産分与でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~17:00)タップするとつながります。

  ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

  

1.ご相談者

 50代の女性(主婦)

 ①夫は50代(会社員)

 ②婚姻期間は26年

 ③財産はマンション

 

2.ご相談の内容

 結婚当初から、夫の両親と折り合いが悪く、そのことが原因でよく夫と口論になりました。夫とは性格も合わず、子供も成人したので、離婚をしたいと思っています。

 当時3000万円のマンションを購入した際に、私の親から300万円の援助を受けて頭金にしました。名義は夫が10分の9、私が10分の1です。現在、マンションは2000万円まで値下がりし、住宅ローンも1000万円残っています。

 離婚の財産分与にあたって、親から援助(贈与)された300万円は返してもらえるのでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 親から援助されたお金も返還される場合があります。ただ、援助を受けた金額がそのまま返還されるとは限りません。

 

(1)住宅ローンが残っているマンションの財産分与はどうしたらいいの?

 住宅ローンが残っているマンションの財産分与を考えるにあたっては、マンションを売却した後に住宅ローンが残るかどうかが重要です。

 売却後に住宅ローンが残らない場合には、財産分与が問題になりますが、売却後に住宅ローンが残る場合には、そもそも財産分与の対象となる財産がないので、財産分与は問題になりません。

 売却後に住宅ローンが残るかどうかは、現在のマンションの価格から住宅ローンの残高を差し引いて判断します。

 マンションの価格は、不動産業者に査定してもらうことで分かります。

 ちなみに、夫婦の共有財産といえる限り、財産の名義は関係ありません。たとえ名義が夫になっていても、マンションが夫婦の共有財産といえる場合には、財産分与の対象になります。

 

(2)売却後に住宅ローンが残らない場合にマンションの財産分与はどうなるの?

 たとえば、現在のマンションの価格が2000万円、住宅ローンの残高が1000万円の場合を見てみましょう。この場合、売却後に住宅ローンが残らず、マンションには1000万円の財産としての価値があることになります。したがって、マンションは財産分与の対象になります。 

 この場合、財産分与の方法としては、マンションを売却して売却代金を2分の1ずつ取得する方法、②どちらかがマンションを取得して、取得した方が取得しなかった方にマンションの評価額から住宅ローンの残高を引いた2分の1の現金(代償金)を払う方法があります。

 ①の場合、実際の売却代金(現金)を分けるので、清算しやすい点にメリットがあります。

 ただ、この場合、いつ売却できるか分からず、売却までに時間がかかることもあるので、この点がデメリットです。

 また、売却にあたって仲介手数料などの諸費用がかかるので、実際に手元に残るのは、売却代金から諸費用を引いた残金の2分の1ということになります。

 ②の場合、今後もマンションに住むことができる点にメリットがあります。

 ただ、売却しなければ住宅ローンは残るので、今後も住宅ローンを払わなければいけない点がデメリットです。

 また、マンションを取得した方は、マンションの価格から住宅ローンの残高を引いた金額(1000万円)の2分の1(500万円)の代償金を払わないといけないので、支払能力が必要です。

 さらに、この場合、マンションの評価額について対立することが多いので、その点について合意できるかどうかも問題になります。

 したがって、②の方法によるときは、これらの問題点をクリアする必要があります。

 特に、妻がマンションを取得する場合には、住宅ローンや夫への代償金の支払能力が問題となることが多く、この点をクリアする必要があります。

 

(3)親から援助(贈与)された頭金はどうなるの?

 財産分与は、夫婦が協力して形成した財産を清算する制度なので、夫婦の一方が結婚前に取得した財産や、結婚している間に、夫婦の一方がその人の名義で取得した財産は、夫婦の共有財産とはいえず、財産分与の対象にはなりません。

 これを「特有財産」(とくゆうざいさん)といいます。

 親から援助(贈与)された頭金も特有財産なので財産分与の対象になりません。

 したがって、頭金は親から援助された子供に返還され頭金を除いた金額を財産分与することになります。

(ケース)

 ①事案妻がマンションの頭金、ローン返済等5455万円のうち、2455万円を負担したとして、残りの分について夫に財産分与を請求

 ②結論1670万円の特有財産を認めた

 ③ポイント妻名義の定期預金は特有財産と証明できなかった、両親からの借入を裏付ける証拠があった

 ④判例:裁判所は、妻名義の定期預金は、預け入れの時点で既に婚姻後15年を経過し、妻が婚姻前から有していた特有財産とは認められないとする一方、妻が両親から借りた1670万円を妻の特有財産と認め、購入費用のうち35%を妻の特有財産とした上で、売却代金1086万円の特有財産の35%を除いた706万円の2分の1(353万円)について財産分与を認めました(東京地裁平成17年12月27日判決)。

 ただし、頭金が返還されるのは、マンションに財産としての価値がある場合なので、売却後に住宅ローンが残るため財産分与すべき財産がない場合には、頭金は返還されません。

 

(4)援助された頭金はそのまま返してもらえるの?

 援助された頭金は、援助された金額がそのまま返されるわけではありません。

 マンションを取得したときの価格と現在の価格とは違うので、援助された頭金が現在もそのまま残っているとはいえません。そのため、援助された頭金を現在のマンションの価格に応じて評価し直す必要があります。

 具体的には、援助された頭金の現在の価格=現在のマンションの価格×(援助された頭金÷取得したときのマンションの価格)によって評価します。

(ケース)

 ①事案夫が結婚前の預金270万円、養老保険の満期金、貸付信託の解約金を自宅マンションの購入資金に充てたとして、特有財産を除く財産分与を請求

 ②結論1268万円の特有財産を認めた

 ③ポイント婚姻後18年経過し、マンションの価値が相当下落している

 ④判例:裁判所は、預金は妻名義の通帳の預入日等から、また、養老保険は婚姻の翌年に契約されたものであるから、いずれも夫の特有財産とは言えないとして、貸付信託の解約金1681万円分についてのみ特有財産と認めた上で、財産分与にあたっては、現在のマンションの価格を3785万円、取得したときのマンションの価格を5020万円として、3785万円×(1681万円÷5020万円)=1268万円を夫の特有財産とし、2517万円を財産分与の対象としました(大阪高判平成19年1月23日判決)。  

 このように、援助を受けたマンションの頭金は、取得した当時のマンションの価格に対する割合を、現在のマンションの価格に評価し直して決めるので、援助を受けた金額がそのまま返ってくるとは限りません。

  一般的には、現在のマンションの価格は、取得した当時より下がっていることが多いので、援助された頭金の金額よりも低い金額となることが多いでしょう。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、現在のマンションの価格が2000万円、住宅ローンの残高が1000万円なので、売却後に住宅ローンが残らず、マンションには1000万円の財産としての価値があるので、マンションは財産分与の対象になります。

 ご相談者が親から援助されたお金は、ご相談者の固有の財産なので、財産分与にあたって返還されますが、300万円がそのまま返還されるわけではありません。

 300万円の頭金を現在のマンションの価格に応じた金額に評価し直すと、1000万円×(300万円÷3000万円)=100万円となるので、100万円が返還されることになります。

 財産分与にあたっては、たとえば、マンションを売却して1000万円が残ったとすると(実際は、諸費用を引いた金額になります。)、この中からまずご相談者が100万円を取得し、残りの900万円を2分の1ずつ分け、それぞれが450万円ずつ取得することになります。

 

5.今回のポイント

 親から援助(贈与)された頭金は特有財産なので、財産分与の対象にならず、親から援助された方に頭金が返還され、頭金を除いた金額を財産分与することになります。

 頭金が返還されるのは、マンションに財産としての価値がある場合なので、売却後に住宅ローンが残るため財産分与すべき財産がない場合には、頭金は返還されません。 

 援助を受けたマンションの頭金は、取得した当時のマンションの価格に対する割合を、現在のマンションの価格に評価し直して決めるので、援助を受けた金額がそのまま返ってくるとは限りません。 

 援助された頭金の現在の価格は、次の式で計算します。

 援助された頭金の現在の価格=現在のマンションの価格×(援助された頭金÷取得したときのマンションの価格)によって評価します。

 

6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ

 ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。

 当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

 まずは、安心してお気軽にご相談ください。 

>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

 

7.弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 30万円(さらに10%OFF)

  報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 40万円(さらに10%OFF)   

  報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)

  着手金 15万円   

  報酬金 0円

 

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

2016.07.02更新

離婚を考えている奥様から、住宅ローンが残っているマンションの財産分与についてのご相談です。

結論:売却した後に住宅ローンが残らない場合には、財産分与の対象になります。場合によっては引き続き住むこともできます。

詳しくは下記のブログをお読みください。

離婚の財産分与でお悩みの方は、無料相談をご利用ください。

① まずは電話で質問してみる03-6912-3900(平日9:00~17:00)タップするとつながります。

 ※三ツ村(ミツムラ)をご指名ください。お話をお聞きして簡単なアドバイス(10分程度)をさせていただきます。

② まずはメールで質問してみる➡お問い合わせフォームはこちら 

 ※弁護士に直接メールが届きます。簡単なアドバイスをさせていただきます。

③ 無料相談を予約する➡ご予約はこちら ※空き時間を検索できます。

 

1.ご相談者

 40代の女性(主婦)

 ①夫は40代(会社員)

 ②婚姻期間は10年

 ③財産はマンション

 

2.ご相談の内容

 夫の浮気が発覚しました。子供はまだ小さいのですが、私としては、もう離婚するしかないと思っています。夫名義のマンションがあり、夫が住宅ローンを払っていますが、まだ住宅ローンがかなり残っています。

 住宅ローンが残っているマンションの財産分与はどうなるのでしょうか? 住宅ローンが残っているマンションに子供と住むことはできるでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 住宅ローンが残っているマンションは、売却した後に住宅ローンが残らない場合には、財産分与の対象になりますが、売却した後に 住宅ローンが残る場合には、財産分与の対象になりません。

 住宅ローンの支払能力があれば、金融機関の承諾を得て、マンションの名義や住宅ローンの契約者を変更して住むこともできます。

  

(1)住宅ローンが残っているマンションの財産分与は何を確認したらいいの?

 住宅ローンが残っているマンションの財産分与の方法は、マンションの名義は誰か、②住宅ローンの債務者は誰か、③保証人は誰か、④マンションを売却した後の住宅ローンが残るかによって変わります。

 したがって、この点について、まず、確認する必要があります。

 ①マンションの名義は、夫の単独名義か夫婦の共有名義の場合が多いでしょう。

 夫婦の共有財産といえる限り、財産の名義は関係ありません。たとえ名義が夫になっていても、マンションが夫婦の共有財産といえる場合には、財産分与の対象になります。

 ②住宅ローンの債務者は、夫と妻が連帯して債務者になっている場合もありますが、夫が債務者になっているのがほとんどです。

 ③保証人は、妻か保証会社がなっていることが多いでしょう。 

 ④売却後に住宅ローンが残るかどうかは、現在のマンションの価格から住宅ローンの残高を差し引いて判断します。

 マンションの価格は、不動産業者に査定してもらうことで分かります。

 この中で重要なのは④です。 

 売却後に住宅ローンが残るかどうかによって、財産分与の対象になるかどうかが決まり、マンションの処理の方法が大きく変わるからです。

  

(2)売却後に住宅ローンが残らない場合はどうしたらいいの?

 たとえば、現在のマンションの価格が1000万円、住宅ローンの残高が500万円のように、売却後に住宅ローンが残らない場合、マンションには500万円の財産としての価値があるので、財産分与の対象になります。 

 その場合、財産分与の方法としては、①マンションを売却して売却代金を2分の1ずつ取得する方法、②どちらかがマンションを取得して、取得した方が取得しなかった方にマンションの評価額から住宅ローンの残高を引いた2分の1の現金(代償金)を払う方法があります。

(ケース①の場合)

 実際の売却代金(現金)を分けるので、清算しやすい点にメリットがあります。

 ただ、この場合、売却までに時間がかかるのがデメリットです。

 また、売却にあたって仲介手数料などの諸費用がかかるので、実際に手元に残るのは、売却代金から諸費用を引いた残金の2分の1ということになります。

(ケース②の場合)

 今後もマンションに住むことができる点にメリットがあります。

 ただ、売却しなければ住宅ローンは残るので、今後も住宅ローンを払わなければならないというデメリットがあります。

 また、マンションを取得した方は、マンションの価格から住宅ローンの残高を引いた金額(500万円)の2分の1(250万円)の代償金を払わないといけないので、支払能力が必要です。 

 さらに、この場合、マンションの評価額について対立することが多いので、その点について合意できるかどうかも問題になります。

 したがって、②の方法によるときは、これらの問題点をクリアする必要があります。

 特に、妻がマンションを取得する場合には、住宅ローンや夫への代償金の支払能力が問題となることが多く、この点をクリアする必要があります。

 

(3)売却しても住宅ローンが残る場合はどうしたらいいの?

 これに対して、現在のマンションの価格が500万円、住宅ローンの残高が1000万円の場合のように、売却しても住宅ローンが残る場合には、マンションに財産価値はないので、マンションは財産分与の対象にはなりません。

 したがって、この場合、マンションはそのままとなり、マンションの名義も、住宅ローンの債務者も変わらないのが通常です。 

 

(4)住宅ローンが残る場合、妻が連帯保証人から外れるにはどうしたらいいの? 

 売却しても住宅ローンが残る場合、財産分与の対象にならないので、マンションの名義も、住宅ローンの債務者も変わりませんし、連帯保証人も変わらないのが通常です。

 したがって、たとえば、マンションの名義が夫で、これまで住宅ローンの支払は夫がしていたが、妻が連帯保証人になっているような場合には、離婚後も住宅ローンの支払は夫がしますが、妻は連帯保証人のままということになります。

 この場合に妻が連帯保証人から外れる方法としては、連帯保証契約の相手である金融機関の承諾を得るか、あるいは借り換えによって一度住宅ローンを全額返済して再度住宅ローンを組む必要があります。

 ただし、金融機関は、離婚をするからといって、連帯保証人から外れることを簡単に承諾してくれません。

 連帯保証人は、あくまで住宅ローンの支払を担保する手段なので、金融機関の承諾を得るためには、別の保証人を立てるか、住宅ローンの一部を返済するなどして、担保に代わる条件を提示する必要があります。

 

(5)住宅ローンが残る場合、妻と子供がマンションに住むためにはどうしたらいいの?

 売却して住宅ローンが残る場合であっても、離婚後も妻が子供と一緒にマンションに住みたいと考えることも多いでしょう。

 その場合、マンションの名義も住宅ローンの債務者も夫であれば、金融機関の承諾を得て、マンションの名義や住宅ローンの債務者を妻に変更する必要があります。

 もっとも、専業主婦のように、住宅ローンの支払能力がない場合には、そのようなことはできません。

 その場合、夫の同意を得て、マンションの名義も住宅ローンの債務者も夫にしたまま、妻と子供がマンションに住むこともできます。

 ただ、夫が将来も住宅ローンの支払を続けてくれる保証はありません。夫が住宅ローンを支払わなければ、当然、金融機関から強制執行をされて明渡を求められるので、非常に不安定な立場になることを覚悟する必要があります。

  

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、マンションは夫名義であっても、結婚後に購入して住宅ローンを払ってきたのであれば、名義は関係ないので、財産分与の対象になりますが、住宅ローンがかなり残っていることからすると、売却しても住宅ローンが残ってしまうと思われます。

 その場合、マンションは、結果として財産分与の対象にならず、そのままとなり、マンションの名義も、住宅ローンの支払も夫のままということになります。

 ご相談者が離婚後もマンションに住むことを希望しても、専業主婦であることを考えると、ご相談者が住宅ローンを払ってマンションに住み続けることは難しいでしょう。

 夫が同意すれば、夫が住宅ローンの支払をしたまま、ご相談者がマンションに住むことも考えられますが、夫が住宅ローンの支払をしなければ明渡を求められることになるので、その点に注意が必要です。

 

5.今回のポイント

 住宅ローンが残っているマンションを財産分与するにあたっては、①マンションの名義は誰か、②住宅ローンの債務者は誰か、③保証人は誰か、④マンションを売却した後の住宅ローンが残るかを確認する必要があります。

 マンションを売却した後に住宅ローンが残らない場合、マンションは財産分与の対象になります。 

 その場合、財産分与の方法として、①マンションを売却して売却代金を2分の1ずつ取得する方法、②どちらかがマンションを取得して、取得した方が取得しなかった方にマンションの評価額から住宅ローンの残高を引いた2分の1の現金(代償金)を払う方法があります。

 売却しても住宅ローンが残る場合には、マンションは財産分与の対象にはなりません。

 この場合、マンションはそのままとなり、マンションの名義、住宅ローンの債務者、連帯保証人は変わりません。

 妻が連帯保証人から外れる方法としては、連帯保証契約の相手である金融機関の承諾を得るか、あるいは借り換えによって一度住宅ローンを全額返済して再度住宅ローンを組む必要があります。

 金融機関の承諾を得るためには、別の保証人を立てるか、住宅ローンの一部を返済するなどして、担保に代わる条件を提示する必要があります。 

 専業主婦のように支払能力がない場合であっても、夫の同意を得て、マンションの名義も住宅ローンの債務者も夫にしたまま、妻と子供がマンションに住むこともできますが、夫が住宅ローンを支払わなければ、金融機関から強制執行をされて明渡を求められる危険があります。

 

6.一人では解決できない方、自分でやったけれど解決できなかった方へ

 ブログを読んだけれど一人では解決できそうもない、ブログを読んで自分でやってみたけれど解決できなかったという方は、是非、当弁護士にご相談ください。

 当弁護士へのご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

 まずは、安心してお気軽にご相談ください。  

>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の離婚問題に関する情報はこちら

  

7.弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 30万円(さらに10%OFF)

  報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 40万円(さらに10%OFF)   

  報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)

  着手金 15万円   

  報酬金 0円

 

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

前へ 前へ
CONTACT Tel.03-6912-3900