2017.02.11更新

婚約を破棄された女性から、結納金の返還についてのご相談です。

結論:正当な理由なく婚約を破棄されたときは、結納金を返す必要はありません。

詳しくは下記のブログをお読みください。

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1.ご相談者

 30代の女性(会社員)

 ①男性は30代(会社員)

 ②交際期間は1年

 

2.ご相談の内容

 交際していた男性と婚約し、結納金として100万円を受け取りました。ところが、しばらくしてから、結婚を止めたいので結納金を返してほしいと言われています。

 一方的に婚約を破棄されたのに結納金を返さないといけないのでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 正当な理由なく婚約を破棄された場合には結納金を返す必要はありません。

 

(1)婚約を解消したら結納金は返すの?

 婚約が成立すると結納金が男性から女性に結納金が送られることがあります。

 この結納金については、婚約の成立を確証するとともに、婚姻の成立を目的として授受される一種の贈与とされています(最高裁昭和39年9月4日判決)。

 したがって、婚約が解消されれば、婚姻の成立という目的は達成できないので、原則として結納金は返さなければいけません。

 

(2)男性が婚約を破棄した場合に女性は結納金を返すの?

 もっとも、婚約も将来夫婦になろうとする合意なので、正当な理由もなく一方的に破棄することはできず、正当な理由もなく、一方的に婚約を破棄した場合には違法とされます。

 したがって、男性が一方的に婚約を破棄した場合に、女性が結納金を返さないといけないのかどうかは、婚約破棄に正当な理由があるかどうかによります。

 男性が正当な理由で婚約を破棄した場合には、婚約の解消について男性には何の落ち度もないので、女性は結納金を返さなければいけません。 

 これに対して、男性が正当な理由なく婚約を破棄した場合には、婚約の解消の責任は男性にあり、女性には何の責任もないので、結納金を返す必要はありません。

(ケース)

 ①事案結婚詐欺を理由に婚約を破棄した男性が、女性に対して結納金の返還を請求

 ②結論返還を認めなかった

 ③ポイント結婚詐欺とは認められず、婚約破棄に正当な事由がない

 ④判例:裁判所は、女性には真実結婚の意思があり、財産目当ての結婚詐欺とするのは、男性の独断にすぎないとした上で、正当な事由もないのに婚約を破棄した場合には、信義則上結納金の返還を求められないとして、結納金の返還を認めませんでした(大阪地裁昭和43年1月29日判決)。

 

(3)女性が婚約を破棄した場合に男性は結納金の返還を請求できるの?

 女性が一方的に婚約を破棄した場合に、男性が結納金の返還を請求できるかどうかも、同じように婚約破棄に正当な理由があるかどうかによります。 

 女性が正当な理由なく婚約を破棄した場合には、婚約の解消について男性には何の落ち度もないので、女性に結納金の返還を請求できます。  

 これに対して、女性が正当な理由で婚約を破棄した場合には、婚約の解消について女性には何の落ち度もないので、女性に結納金の返還を請求することはできません。

(ケース)

 ①事案新婚旅行先から実家に逃げ帰って婚約を破棄した女性に対して男性が結納金の返還を請求

 ②結論返還を認めなかった

 ③ポイント婚約解消の責任は男性の方が大きい

 ④判例:裁判所は、婚約破棄は、結婚式当日ないし新婚旅行の新郎としてわきまえるべき社会常識を相当程度逸脱した言動が原因であり、婚約解消について男性の責任が女性より上回るとして、結納金の返還を認めませんでした(福岡地裁小倉支部昭和48年2月26日判決)。

 

(4)婚約破棄についてどちらか一方に責任があるとはいえない場合にはどうなるの?

 婚約破棄について、どちらか一方に責任があるとはいえない場合には、どちらか一方を責めることはできないので、原則どおり女性は結納金を返さなければいけません。

(ケース)

 ①事案婚約を破棄した女性に対して男性が結納金の返還を請求

 ②結論返還を認めた

 ③ポイント婚約解消について両方に責任がある

 ④判例:裁判所は、両者の間では、結婚式の在り方や費用、結婚後の新生活について、些細なことから口論や争いとなることが多く、女性が将来への不安を抱き、男性の行為によって転倒したこと等から男性への不信感が増幅して婚約解消を決意するに至ったものであり、どちらか一方のみに責任があるとはいえないとして、結納金の返還を認めました(東京地裁平成20年6月4日判決)。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、結納金を返す必要があるかどうかは、婚約の破棄について正当な理由があるかどうかによって決まります。

 男性に婚約破棄についての正当な理由がある場合には、結納金を返さなければいけませんが、正当な理由がない場合には、結納金を返す必要はありません。

 婚約の破棄について正当な理由があるかどうかは、なかなか判断がつかない場合もあるので、その場合には裁判で決めるほかありません。

 

5.今回のポイント

 男性が婚約を破棄した場合に、女性が結納金を返さないといけないのかどうかは、婚約破棄に正当な理由があるかどうかによります。 

 男性が正当な理由で婚約を破棄した場合には、女性は結納金を返さなければいけませんが、正当な理由なく婚約を破棄した場合には、結納金を返す必要はありません。 

 女性が婚約を破棄した場合に、男性が結納金の返還を請求できるかどうかも、同じように婚約破棄に正当な理由があるかどうかによります。 

 女性が正当な理由なく婚約を破棄した場合には、結納金を返還しなければいけませんが、正当な理由がある場合には、結納金を返還する必要はありません。

 婚約破棄について、どちらか一方に責任があるとはいえない場合には、どちらか一方を責めることはできないので、原則どおり女性は結納金を返さなければいけません。 

  

 

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7.弁護士費用(税別)

① 結納金請求事件

  着手金(さらに10%OFF) 

  300万円以下の場合            8%(ただし、最低10万円)

  300万円を超えて3000万円までの場合  5%+9万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    3%+69万円       

 

  報酬(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合            16%

  300万円を超えて3000万円までの場合    10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

② 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

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