2016.04.19更新

今回は、夫からDV(暴力)を受けている奥様から、保護命令の内容と流れについてのご相談です。

結論:保護命令はDVの夫(妻)の接近等を禁止する制度です。保護命令は、警察等に相談した後、地方裁判所に申立てをします。裁判所が双方から事情を聞き、相手から事情を聴いたその日に命令が下されます。

詳しくは下記のブログをお読みください。

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1.ご相談者 
 
 30代の女性(主婦) 

 ①夫は30代(会社員)

 ②婚姻期間は6年

 ③幼稚園の子供がいる


2.ご相談の内容

 夫は、口論になると、すぐに手を出して殴ったり、髪の毛を引っ張ったりして暴力を振るい、毎回、打撲や痣ができるほどです。逃げたこともありますが、追いかけてきて力づくで戻されてしまいました。

 DVの夫と離婚したいのですが、保護命令の内容と流れを教えて下さい。

 

3.ご相談への回答

 保護命令には、①接近禁止命令、②退去命令、③子供への接近禁止命令、④親族等への接近禁止命令、⑤電話等の禁止命令があります。 

 管轄の地方裁判所に保護命令の申立をすると、申立人は、当日か、数日内に裁判官と面接して、申立に至る事情を直接説明します。相手方は、後日、裁判官と面接して意見を述べます。

 裁判所が保護命令を発令するのが相当と考えた場合には、早ければその日に保護命令が発令されます。

 保護命令の申立にあたっては、事前に警察署やDVセンター等に相談する必要があります。

 

(1)保護命令って何?

  保護命令は、配偶者から生命・身体に危害を与える身体への暴力や生命・身体に対する脅迫を受け、さらに生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きいときに、裁判所が配偶者による生命・身体の危害を防止する制度です。

 保護命令には、①接近禁止命令、②退去命令、③子供への接近禁止命令、④親族等への接近禁止命令、⑤電話等の禁止命令があります。

 ①接近禁止命令は、被害者の身辺につきまとい、被疑者の住居や勤務先等の付近を徘徊することを禁止する命令です。命令が出ると、6か月間、つきまといや徘徊が禁止されます。 

 ②退去命令は、被害者と同居している住居から退去し、その住居の付近を徘徊することを禁止する命令です。命令が出ると、2か月間、住居から退去し、徘徊が禁止されます。

 ③子供への接近禁止命令は、被害者と同居している未成年の子供の身辺につきまとい、住居や学校等の付近を徘徊することを禁止する命令です。命令が出ると、6か月間、つきまといや徘徊が禁止されます。

 この命令が発令される前提として、接近禁止命令(①)が発令されることが必要です。 

 ④親族等への接近禁止命令は、親族等の身辺につきまとい、住居や勤務先等の付近を徘徊することを禁止する命令です。命令が出ると、6か月間、つきまといや徘徊が禁止されます。

 この命令が発令される前提として、接近禁止命令(①)が発令されることが必要です。

 ⑤電話等の禁止命令は、迷惑行為を禁止する命令です。

 迷惑行為には、ⓐ面会要求、ⓑ被害者の行動を監視していると思わせるような事項を告げること、©著しく乱暴な言動、ⓓ無言電話、ⓔ連続して電話、ファックス、電子メールの送信、ⓕ午後10時から午前6時まで電話、ファックス、電子メールの送信、ⓖ汚物等著しく不快な物の送付、ⓗ名誉を害する事項を告げること、ⓘ性的羞恥心を害する事項を告げ、または文書・図画の送付があります。

 命令が出ると、6か月間、迷惑行為が禁止されます。

 この命令が発令される前提として、接近禁止命令(①)が発令されることが必要です。

  

(2)保護命令はどんな場合に認められるの?

 保護命令が認められるためには、①被害者が生命・身体に危害を与える身体に対する暴力や、生命・身体に対する脅迫を受けたこと、②配偶者から暴力・脅迫を受けたこと、③被害者がさらなる配偶者の身体的暴力によって生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きいことが必要です。

 ①「身体に対する暴力」とは、身体に対する不法な攻撃で、生命・身体に危害を及ぼすものをいい、具体的には、刑法上の暴行罪・傷害罪に当たる行為をいいます。

 また、「生命・身体に対する脅迫」とは、生命・身体に害を加える旨の告知をいい、刑法上の脅迫罪に当たる行為をいいます。例えば、「殺すぞ」等がこれに当たります。

 ②暴力や脅迫をする「配偶者」の中には、婚姻届を出していないが、事実上婚姻関係(内縁関係)にある人も含まれます。

 また、内縁関係に至らなくても、生活の本拠を共にして交際している人も、保護命令の対象になります。

 ③「さらなる身体的暴力によって生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きい」とは、被害者が殺人や傷害、暴行の危害を受ける危険性が大きい場合をいいます。

 「さらなる暴力によって生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きい」かどうかは、配偶者が暴力を振るった頻度、暴力の態様、傷害の程度によって判断されます。 

 

(3) 保護命令の申立ての前にしておくことは何?

 保護命令の申立書には、警察署や配偶者暴力相談支援センター(DVセンター)等に相談した事実を記載する必要があります。

 具体的には、相談した機関の名称、相談した日時・場所、相談した内容、相談に対して執られた措置の内容を記載する必要があります。

 また、申立後、裁判所は、警察署等の相談機関に相談内容を記載した書面を提出するよう連絡します。

 そのため、保護命令の申立にあたっては、事前に警察署やDVセンター等に相談する必要があります。

 事前に相談にしていない場合には、DVの状況、さらに生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きいと認められる事情等を供述して、公証人の認証を受けた書面を提出する必要があるので、公証役場に行く必要があります。

 

(4)保護命令の申立はどうすればいいの?

 保護命令の申立は、相手方の住所、自分の住所・居所、暴力・脅迫が行われた場所を管轄する地方裁判所にします。

 申立書には、保護命令の内容、暴力や脅迫を受けた状況、生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きい事情の他、警察等に相談した事実を記載します。

 また、子供や親族への接近禁止命令を求める場合には、子供や親族について相手方との面会を余儀なくされることを防止する必要があることを示す事情を記載する必要があります。

 申立にあたっては、戸籍謄本・住民票や、暴力・脅迫を受けたことを証明する診断書写真等が必要です。

 また、子供や親族への接近禁止命令を求める場合には、子供(15歳以上の場合)・親族の同意書や、署名が本人のものであることが分かる資料(手紙、テスト等)、対象となる人の戸籍謄本・住民票、接近禁止の必要性を示す資料が必要です。

 

(5)申立後の手続の流れはどうなってるの?

 保護命令の申立をすると、申立人は、当日か、数日内に裁判官と面接して、申立に至る事情を直接説明します。時間は2時間程度です。

 申立人の面接が終了すると、今度は1週間程度した後、相手方が裁判官と面接して、意見を述べます。その上で、裁判所は、保護命令を発令するかどうかを決めます。

 裁判所が保護命令を発令するのが相当と考えた場合には、早ければその日に保護命令が発令されます。

 保護命令が発令されると、裁判所は、被害者の住所を管轄する警察本部や相談したDVセンターに連絡します。

 

(6)保護命令にはどんな効力があるの?

 保護命令が発せられても、強制的に配偶者のつきまといや徘徊を止めさせたり、電話等を止めさせたりすることはできません。

 しかし、保護命令が発せられると、裁判所から被害者の住所を管轄する警察本部に通知が行くので、加害者には警察から保護命令を守るよう指導警告がなされますし、被害者から通報があれば警察官がすぐに対応し、暴行や脅迫等があれば、加害者を逮捕してもらうこともできます。

 また、保護命令に違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられるので、その限度では抑止力があるといえます。   

  ただ、実際に保護命令違反によって処罰されることも少なくありませんし、殺人事件に発展することもあるので、被害者からすると不十分と感じるところがあるかもしれませんが、何かあればすぐに警察に通報する準備だけはしておきましょう。

  

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、夫から暴力を振るわれて、打撲や痣ができるということなので、明らかにDVに当たりますから、保護命令の申立をするのがよいでしょう。 

 申立にあたっては、①接近禁止命令、②退去命令、⑤電話等の禁止命令が一般的ですが、夫が子供の居場所を探していたり、親族にあなたの居場所を聞いているような場合には、③子供への接近禁止命令や、④親族等への接近禁止命令を求める必要があります。

 管轄のある地方裁判所に保護命令の申立をすると、申立人は、当日か、数日内に裁判官と面接して、申立に至る事情を直接説明し、その後、1週間程度した後、今度は相手方が裁判官と面接して、意見を述べます。

 裁判所が保護命令を発令するのが相当と考えた場合には、早ければその日に保護命令が発令されます。

 保護命令が発令されると、裁判所は、被害者の住所を管轄する警察本部や相談したDVセンターに連絡するので、安心して下さい。

 

5.今回のポイント

 保護命令には、①接近禁止命令、②退去命令、③子供への接近禁止命令、④親族等への接近禁止命令、⑤電話等の禁止命令があります。 

 保護命令が認められるためには、①被害者が生命・身体に危害を与える身体に対する暴力や、生命・身体に対する脅迫を受けたこと、②配偶者から暴力・脅迫を受けたこと、③被害者がさらなる配偶者の身体的暴力によって生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きいことが必要です。 

 保護命令の申立にあたっては、事前に警察署やDVセンター等に相談する必要があります。

 保護命令の申立は、相手方の住所、自分の住所・居所、暴力・脅迫が行われた場所を管轄する地方裁判所にします。その際、戸籍謄本・住民票や、診断書や写真等の暴力・脅迫を受けたことを証明する資料が必要です。

 保護命令の申立をすると、申立人は、当日か、数日内に裁判官と面接して、申立に至る事情を直接説明し、その後、1週間程度した後、今度は相手方が裁判官と面接して、意見を述べます。早ければその日に保護命令が発令されます。

 保護命令が発令されると、裁判所は、被害者の住所を管轄する警察本部や相談したDVセンターに連絡します。

 保護命令に違反すると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。

 

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7.弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 30万円(さらに10%OFF)

  報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 40万円(さらに10%OFF)   

  報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)

  着手金 15万円   

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

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