2016.05.30更新

今回は、夫にDV(暴力)を受けている奥様から、保護命令の期間が終了した後の延長についてのご相談です。

結論:再度の保護命令を申し立てることによって延長できる可能性があります。

詳しくは下記のブログをお読みください。

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1.ご相談者

 20代の女性(会社員) 

 ①夫は30代(会社員)

 ②婚姻期間は6年

 ③幼稚園の子が1人

 

2.ご相談の内容

 ある日、カード会社から請求書が来て、夫に300万円もの借金があることが分かりました。私が夫に文句を言うと、夫は怒り出して殴る、蹴るの暴力を振るい、その後も、何かあると私に暴力を振るいます。耐えられないので離婚することにし、私と子供への接近禁止の保護命令を出してもらいました。

 もうすぐ保護命令の有効期間が切れるのですが、まだ離婚できていません。夫がいつ来るか不安です。保護命令を延長するにはどうしたらよいでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 保護命令を継続したい場合には、改めて保護命令(再度の保護命令)の申立をする必要があります。

 この場合、再度の保護命令が認められるためには、保護命令の期間中に、配偶者から身体的暴力を受けるおそれが大きいと認められる事情があったかどうかが重要です。

  

(1)保護命令の有効期間はどれくらい?

 保護命令には、①接近禁止命令、②退去命令、③子供への接近禁止命令、④親族等への接近禁止命令、⑤電話等の禁止命令があります。

 ①接近禁止命令は、被害者の身辺につきまとい、被疑者の住居や勤務先等の付近を徘徊することを禁止する命令で、有効期間は6か月間です。 

 ②退去命令は、被害者と同居している住居から退去し、その住居の付近を徘徊することを禁止する命令で、有効期間は2か月間です。

 ③子供への接近禁止命令は、被害者と同居している未成年の子供の身辺につきまとい、住居や学校等の付近を徘徊することを禁止する命令で、有効期間は6か月間です。

 ④親族等への接近禁止命令は、親族等の身辺につきまとい、住居や勤務先等の付近を徘徊することを禁止する命令で、有効期間は6か月間です。

 ⑤電話等の禁止命令は、ⓐ面会要求、ⓑ無言電話、©連続して電話、ファックス、電子メールの送信などの迷惑行為を禁止する命令で、有効期間は6か月間です。

 ③、④、⑤の命令が発令される前提として、接近禁止命令(①)が発令されることが必要なので、有効期間も同じになっています。

 

(2)保護命令の有効期間を延長するにはどうしたらいいの?

 保護命令の有効期間は、期間の経過によって終了してしまい、延長は認められていないので、保護命令を継続したい場合には、改めて保護命令(再度の保護命令)の申立をする必要があります。

 再度の保護命令が認められるためには、接見禁止命令(①)については、1回目の保護命令と同様、被害者がさらなる配偶者の身体的暴力によって生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きいことが必要です。

 ただ、この要件は、再度の申立のときを基準として判断するので、配偶者から身体的暴力を受けるおそれが大きいと認められる事情が、保護命令の期間中にあったかどうかが重要になります。

 例えば、保護命令の期間中に、保護命令に違反するような行動があったり、親族に「期間が終わったら覚えてろよ」等と暴力を振るうような言動がある場合には、再度の保護命令が認められることになります。

 これに対して、退去命令(②)については、1回目の保護命令とは別の要件が定められています。

 具体的には、ⓐ被害者の責に帰すことができない事由で転居が完了できないこと等、退去命令を再度発する必要があること、ⓑ相手の生活に特に著しい支障が生じないことが認められれば、再度退去命令が発令されます。

(ケース)

 ①事案妻が夫に躁うつ病で2か月間の退去命令の間に転居できなかった事を理由に再度の退去命令を請求

 ②結論再度の退去命令を認めた

 ③ポイント妻が躁うつ病で転居に相当な時間が必要だった、夫に保護命令違反の行為があった

 ④判例:裁判所は、妻が躁うつ病で、障害等級2級と認定されていることからグループホームへの入居が望ましいが、保証人を不要とし、直ちに入居できる施設が容易に見つからず、転居の準備をするのに相当な時間を要することから、妻に帰責性はないとした上で、夫に保護命令に反した行動があり、また、夫においても特に著しい支障を生ずるとは認められないとして、再度2か月間の退去命令を認めました(福岡高裁平成25年9月19日決定)。

 

(3)再度の保護命令の申立のときに何か注意することはある?

 先程も言ったとおり、再度の保護命令の申立は、1回目の保護命令とは別の新たな申立なので、再度の保護命令自体が保護命令の要件を充たしていなくてはいけません。

 保護命令の申立書には、警察署や配偶者暴力相談支援センター(DVセンター)等に相談した事実を記載する必要があるので、再度の保護命令の申立にあたっても、もう一度、事前に警察署やDVセンター等に相談に行っておく必要があります。

 また、再度の保護命令も1回目の保護命令と同じように、裁判所が双方から事情を聞いて判断するので、保護命令が発令されるまでに時間がかかります。そのため、1回目の保護命令の有効期間が終了する前に再度の保護命令が発令されるよう、時間に余裕を持って申立をする必要があります。

 

4.ご相談者へのアドバイス

 ご相談者の場合、再度、保護命令の申立をして、1回目と同じように接近禁止命令を出してもらうことになりますが、再度の保護命令の申立にあたっては、被害者がさらなる配偶者の身体的暴力によって生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きいことが必要です。

 ご質問には、保護命令の期間中に、夫から身体的暴力を受けるおそれのある夫の行動がありませんが、そのような行動がないとすると、夫の身体的暴力によって生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きいとはいえないので、保護命令が認められない可能性があります。

 したがって、ご相談者としては、夫から身体的暴力を受けるおそれがある具体的な事情について検討する必要があります。

 夫に対する恐怖心は簡単に消えるものではありませんが、再度の保護命令が認められない場合には、少なくとも何かあったときには、すぐに警察に連絡しておけるようにしておきましょう。

 

6.今回のポイント

 保護命令を継続したい場合には、改めて保護命令(再度の保護命令)の申立をする必要があります。

 接見禁止命令(①)については、1回目の保護命令と同様、被害者がさらなる配偶者の身体的暴力によって生命・身体に重大な危害を受けるおそれが大きいことが必要なので、保護命令の期間中に、配偶者から身体的暴力を受けるおそれが大きいと認められるような事情があるかどうかが重要です。

 退去命令(②)については、1回目の保護命令とは別の要件が定められています。 

 再度の保護命令の申立にあたっては、もう一度、事前に警察署やDVセンター等に相談に行っておく必要があります。

 再度の保護命令が発令されるまでには時間がかかるので、1回目の保護命令の有効期間が終了する前に再度の保護命令が発令されるよう、時間に余裕を持って申立をする必要があります。 

 

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8.弁護士費用(税別)

① 離婚交渉・調停事件

  着手金 30万円(さらに10%OFF)

  報酬金 30万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 婚姻費用・養育費を請求する場合の着手金は、上記の着手金に含まれます。

 

② 離婚訴訟事件

  着手金 40万円(さらに10%OFF)   

  報酬金 40万円(さらに10%OFF)+慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(③)

  ※1 離婚交渉・調停事件に引き続き離婚訴訟事件を依頼する場合の着手金は10万円(さらに10%OFF)となります。

  

③ 慰謝料・財産分与で得た金額の報酬額(さらに10%OFF)

  300万円以下の場合           16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 婚姻費用・養育費で得た報酬金(さらに10%OFF)

  1か月の婚姻費用・養育費の2年分を基準として、③で算定した金額

 

⑤ DVによる保護命令の着手金・報酬金(さらに10%OFF)

  着手金 15万円   

  報酬金 0円

  

⑥ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 

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