2016.09.22更新

お父様を亡くされたご長男から、葬儀費用についてのご相談です。


1.ご相談者

 50代の男性

 ①被相続人

  70代の父

 ②相続人

  ご相談者(長男)と二男

  

2.ご相談の内容

 父が亡くなりました。父の葬儀にあたっては、私が喪主になり、葬儀費用を立て替えて払いました。後日、弟に葬儀費用の半分を請求したところ、喪主である私が全部負担すべきと言って、葬儀費用を払いません。

 葬儀費用は、喪主が全部負担しなければならないのでしょうか?

 

3.ご相談への回答

 葬儀費用は、喪主が全部負担しますが、相続人全員で負担することもあります。

 

(1)葬儀費用は誰が負担するの?

 葬儀費用を負担する人について法律に定めはなく、①喪主が負担する、②相続人全員で負担する、③相続財産から支出する、など考え方が分かれていますが、どのような葬儀をするかは喪主に委ねられているので、喪主が葬儀費用を負担するとされています。

 

(2)他の相続人は全く負担しないの?

 例えば、遺言で遺産の全部を取得した相続人(Y)が負担した葬儀費用について、Yが葬儀費用も相続財産に関する費用として、相続財産から支払われるべきと主張したのに対して、裁判所は、葬儀費用は、相続開始後に生じた債務であるから、喪主が負担すべきと判断しました(東京地裁平成26年3月28日判決)。 

 他方、入院・介護費用や葬儀費用を払った相続人(X)が他の相続人(Y)に相続分の割合に応じて費用の支払を請求した事案で、裁判所は、葬儀、法事等に関する費用は、これを実質的に主宰したものが負担するとした上で、喪主はXであるが、Yは葬儀会社を紹介してその手配をし、香典を払っていないことから、Yも葬儀を主宰する側にあったとして、Yにも相続分の割合に応じた費用負担を認めました(東京地裁平成27年9月29日判決)。

 こうして見ると、葬儀費用は喪主が負担することを前提に、ケースバイケースで判断されていると言えます。

 

4.ご相談者へのアドバイス 

 弟さんが言うように、葬儀費用は喪主が負担するのですが、喪主でない相続人も実質的に葬儀を主宰していたと言える場合には、葬儀費用を負担する場合がありえます。

 したがって、あなたの場合も、弟さんに相続分に応じた葬儀費用を請求できる可能性はあります。

 ただ、実際には、遺産分割調停の中で、話し合いにより葬儀費用を遺産の中から支出することが多いでしょう。

 

5.今回のポイント

 葬儀費用は喪主が負担しますが、喪主でない相続人であっても、相続分の割合に応じた葬儀費用を負担することもあります。

 

当弁護士へご相談の際には、初回60分の無料相談をご利用いただけます。

まずは、お気軽にご相談ください。

 

弁護士費用(税別)

① 遺産分割調停事件

  着手金 20万円   

  報酬金 遺産分割で得た金額の報酬額(③)

 

③ 遺留分減殺請求訴訟・遺言無効確認請求訴訟等

  着手金 25万円

  報酬金 訴訟で得た金額の報酬額(③)

 

③ 遺産分割・訴訟で得た金額の報酬額

  300万円以下の場合          16%

  300万円を超えて3000万円までの場合  10%+18万円

  3000万円を超えて3億円までの場合    6%+138万円       

 

④ 着手金以外に日当は発生しません。

  その他に、印紙、郵券、交通費等の実費が発生します。  

 

 


まずは、当事務所の無料相談をご利用ください。


>>永田町・赤坂見附の弁護士三ツ村の相続問題に関する情報はこちら

CONTACT Tel.03-6912-3900